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迷走リサーチ②

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「豹堂さんのHPを拝見しました。除霊をなさっているんですね」
 副業霊能者は口元から、輝く白い歯をこぼれ落ちた。
「常連客と口コミでやってくる依頼だけね。ほら、インチキ霊能者とかに頼むと、後々が大変でしょ。その点、俺は自己流だけど、コストはかかっても飲み代程度だし、言ってみりゃ人助け、ボランティアみたいなもんよ」

 ふむふむ、あとは、徐霊の実力のほどを知りたいぞ。
 その時、店に駆け込んできたホステス風の女性から、運よく貴重な意見を聞くことができた。

 ホステスは兵藤につかみかかり、
「あんたの除霊、ちっとも効かないわよ! 家族全員、失業したり事故にあったりインフルエンザで寝込んだり、もう最悪なことばかり! このペテン師、私が買ってあげたアメ車、今すぐ返しなさいよ!」

 いやぁ、修羅場ってヤツ、初めて見たな。
 私は感心しながら、スナックを後にする。

 リストの4、5、6人目……、いろいろあったけど、結局、全滅。
 可能性の高い順に当たっているのに、残念ながら、成果ゼロです。
 落胆しました。一旦モチベーションが落ちると、何をする気も起こらない。自然と後ろ向きになります。

 やる気を出すために、妄想をかきたててみた。結城Pとのお忍び旅行をイメージしようとしたけれど、想像力が足らず、失敗に終わった。
 私は事務所に戻って、パソコンの前でダラダラと過ごした。
 イケメン霊能者を発掘できなければ、当然、叱責を受ける。
 毒島Dへの言い訳はどうしようか? 頭の中はそればかり。
 また、頭ごなしに叱られるのか。あーあ、気が重いよなぁ。

 そんな時、真希さんから昼食に誘われた。週の半分は通っている、近くの定食屋だ。私が注文を終えると、真希さんは早速、話を切り出した。

「で、イケメンはどうなったの?」
「いやぁ、八方塞はっぽうふさがりってやつです。どうすればいいでしょうか」
「どうすればいいでしょうかって、何を呑気な。ミルコ、あんた、自分のクビがかかってるの、わかってる?」

 え、どういうこと? 思わず、キョトンとする私。

「やっぱり、気づいてなかったか。そこまで、鈍感だったとはね。毎日事務所にいて、周囲の空気とか、何も感じていなかったと。危機感とか、まったく感じてなかったと、いうわけね」

 危機感って、まさか、クビになるってこと?
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