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ラブ・スパイラルⅡ⑧
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「帰ってくれないと、困るんだよ。彼女とするができない」彼女の顔を見つめながら、はっきり口にした。「それとも、そこで見ているか、僕と彼女のセックス」
千鶴は大きく眼を見開いた。溜まっていた涙が頬に流れ落ちる。かわいそうだが、情けはかけない。
僕は心を鬼にする。冷ややかな視線を千鶴に向けた。さっさと帰れ、というメッセージを込めて。
「すいません、真由莉さん」真由莉さんの耳に口を寄せて、そっと囁く。
「お芝居に付き合ってあげるよ」笑いを含んだ耳打ちを返された。
千鶴に見られている状況に興奮しているのだろう。真由莉さんの体温は上昇していた。水蜜桃を包んだ掌に力を込めると、ピクンと身体を震わせた。
「その人、恋人じゃないんでしょ? さっき、〈友達〉だって言ったものね」
千鶴は眼をそらさない。涙もふかずに、僕を見つめている。
「じゃあ、私もシュウくんの……〈友達〉にしてよ」
その言葉に、僕の動きが止まる。泣きながら帰っていくと思っていたのに、まったく予期せぬ展開だ。自分の言っている意味がわかっているのか?
この〈友達〉とは、セックスフレンドを指す。いくら真っ直ぐな眼を向けられても、絶対に認めるわけにはいかない。
「千鶴ちゃん、本気なの?」僕が言う前に、真由莉さんが訊ねた。
千鶴はコクンと頷く。
「それって、私たちと3Pがしたい。そういう意味で受け取っていいのね?」
少し考えてから、再び頷いた。
僕は笑い飛ばそうとする。でも、また真由莉さんに先に言われた。
「ふふっ、じゃあ、千鶴ちゃんの本気度を見せてもらおうか」
「待ってくださいよ」
僕の制止を無視して、真由莉さんは千鶴に命じてしまう。
「今すぐ、ここで脱いで。千鶴ちゃんの裸を見せてよ」
「ちょっと、真由莉さん」
「彼女の裸、シュウくんも見たことないんでしょ?」真由莉さんは真顔で言う。「何も見ないうちに、〈友達〉にはできないな。千鶴ちゃんが本気なら、裸になることぐらい、何でもないはずでしょ?」
千鶴は凍りついていた。顔も青ざめている。
「チィちゃん、無理しなくていい。黙って、このまま帰ってくれ」
「えーっ、3Pって私、初めてだし、興味津々なんだけど。たぶん、シュウくんにとっても、刺激的だと思うよ」
その指摘は否定しない。でも、やっぱりそれはダメだ。
千鶴は大きく眼を見開いた。溜まっていた涙が頬に流れ落ちる。かわいそうだが、情けはかけない。
僕は心を鬼にする。冷ややかな視線を千鶴に向けた。さっさと帰れ、というメッセージを込めて。
「すいません、真由莉さん」真由莉さんの耳に口を寄せて、そっと囁く。
「お芝居に付き合ってあげるよ」笑いを含んだ耳打ちを返された。
千鶴に見られている状況に興奮しているのだろう。真由莉さんの体温は上昇していた。水蜜桃を包んだ掌に力を込めると、ピクンと身体を震わせた。
「その人、恋人じゃないんでしょ? さっき、〈友達〉だって言ったものね」
千鶴は眼をそらさない。涙もふかずに、僕を見つめている。
「じゃあ、私もシュウくんの……〈友達〉にしてよ」
その言葉に、僕の動きが止まる。泣きながら帰っていくと思っていたのに、まったく予期せぬ展開だ。自分の言っている意味がわかっているのか?
この〈友達〉とは、セックスフレンドを指す。いくら真っ直ぐな眼を向けられても、絶対に認めるわけにはいかない。
「千鶴ちゃん、本気なの?」僕が言う前に、真由莉さんが訊ねた。
千鶴はコクンと頷く。
「それって、私たちと3Pがしたい。そういう意味で受け取っていいのね?」
少し考えてから、再び頷いた。
僕は笑い飛ばそうとする。でも、また真由莉さんに先に言われた。
「ふふっ、じゃあ、千鶴ちゃんの本気度を見せてもらおうか」
「待ってくださいよ」
僕の制止を無視して、真由莉さんは千鶴に命じてしまう。
「今すぐ、ここで脱いで。千鶴ちゃんの裸を見せてよ」
「ちょっと、真由莉さん」
「彼女の裸、シュウくんも見たことないんでしょ?」真由莉さんは真顔で言う。「何も見ないうちに、〈友達〉にはできないな。千鶴ちゃんが本気なら、裸になることぐらい、何でもないはずでしょ?」
千鶴は凍りついていた。顔も青ざめている。
「チィちゃん、無理しなくていい。黙って、このまま帰ってくれ」
「えーっ、3Pって私、初めてだし、興味津々なんだけど。たぶん、シュウくんにとっても、刺激的だと思うよ」
その指摘は否定しない。でも、やっぱりそれはダメだ。
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『裸のプリンスⅢ』の御閲覧をありがとうございました。シュウの物語・第3弾はいかがだったでしょう。もし、お気に召したのなら、「お気に入り」登録をお願いいたします。どうぞ、お気軽に楽しんでください。前作の『裸のプリンス』、『裸のプリンスⅡ』、『愛のしたたる果実【R18】』、『ブラックアイドル【R18】』も合わせて、よろしくお願いいたします。
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