裸のプリンスⅢ【R18】

坂本 光陽

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ラブ・スパイラル⑮

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「それはたぶん、僕の愛撫は文字通り、愛がこもっているからですよ。お母さんの愛情が込もった手作り弁当と同じです。大量生産品や肉欲だけの輩とはひと味ちがいます」

「ホントそうだよねぇ」マヤさんは上体を起こして、僕の眼を覗き込む。「シュウくん、大好きだよ」

「ありがとうございます。僕もマヤさんが大好きです」

「本当に本当だよ。心から愛してるの。こんなに夢中になったの初めて」

 そう言って、唇を重ねてきた。情熱的なキスだ。僕も情熱を込めて応える。

 マヤさんのことが好きなのは噓ではない。少なくても、こうして身体を重ねている間は誰よりも愛している。

「ふふっ、初めて告白しちゃった。ドキドキしたけど、とってもいい気持ち」

 そう言って、僕の身体にキスの雨を降らせる。もしかすると、もう1ラウンド必要かもしれないな。そんなことを考えながら、華奢きゃしゃな身体をしっかり抱きしめる。

 もし、そうなったとしても、僕は残る精力を使い切って、彼女の要望に応えるつもりだ。身体だけでなく、心まで一体になるということは、何物にも代えがたい力がある。生きる活力になるし、未来への希望にもなる。

 もしかしたら、人は皆、誰かを愛するために生まれてきて、死ぬまで愛を求め続けているのかもしれない。

 マヤさんの手がバナナに触れてきた。クスクス笑いながら、優しく撫でさすってくれた。まるで、子猫を可愛がるように。

「ふふっ、とても可愛い。さっきまでとは大違い」

 彼女の言う通り、鋼鉄の硬さを誇っていたそれは今、すっかりおとなしくなっていた。

「できるなら、家に持って帰りたいな」

 残念ながら、レンタル不可である。マヤさんはバナナに御執心だった。

「どうしますか? もう一回ということなら、すぐ〈暴れん坊〉になりますよ」

「ううん、たっぷり愛してもらったから、今日は大満足。明日からまた仕事の日々だけど、おかげで頑張ることができるよ」

 マヤさんは僕の胸に頬をつけ、しがみついてくる。

「セクハラ親父がきても、シュウくんのことを想って我慢する」

 声が震えていたので、もしかして、と思ったら、やはり、彼女は泣いていた。感情の浮き沈みが激しい方ではあるけれど、職場でよほど腹に据えかねることがあったのかもしれない。

 僕はさりげなく、彼女を抱きしめて、水蜜桃に優しく愛撫を施した。先端のチェリーに口づけをしながら、右手の中指で彼女の敏感な部分を探る。予想通り、そこはしとどに濡れていた。
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