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ラブ・スパイラル⑮
しおりを挟む「それはたぶん、僕の愛撫は文字通り、愛がこもっているからですよ。お母さんの愛情が込もった手作り弁当と同じです。大量生産品や肉欲だけの輩とはひと味ちがいます」
「ホントそうだよねぇ」マヤさんは上体を起こして、僕の眼を覗き込む。「シュウくん、大好きだよ」
「ありがとうございます。僕もマヤさんが大好きです」
「本当に本当だよ。心から愛してるの。こんなに夢中になったの初めて」
そう言って、唇を重ねてきた。情熱的なキスだ。僕も情熱を込めて応える。
マヤさんのことが好きなのは噓ではない。少なくても、こうして身体を重ねている間は誰よりも愛している。
「ふふっ、初めて告白しちゃった。ドキドキしたけど、とってもいい気持ち」
そう言って、僕の身体にキスの雨を降らせる。もしかすると、もう1ラウンド必要かもしれないな。そんなことを考えながら、華奢な身体をしっかり抱きしめる。
もし、そうなったとしても、僕は残る精力を使い切って、彼女の要望に応えるつもりだ。身体だけでなく、心まで一体になるということは、何物にも代えがたい力がある。生きる活力になるし、未来への希望にもなる。
もしかしたら、人は皆、誰かを愛するために生まれてきて、死ぬまで愛を求め続けているのかもしれない。
マヤさんの手がバナナに触れてきた。クスクス笑いながら、優しく撫でさすってくれた。まるで、子猫を可愛がるように。
「ふふっ、とても可愛い。さっきまでとは大違い」
彼女の言う通り、鋼鉄の硬さを誇っていたそれは今、すっかりおとなしくなっていた。
「できるなら、家に持って帰りたいな」
残念ながら、レンタル不可である。マヤさんはバナナに御執心だった。
「どうしますか? もう一回ということなら、すぐ〈暴れん坊〉になりますよ」
「ううん、たっぷり愛してもらったから、今日は大満足。明日からまた仕事の日々だけど、おかげで頑張ることができるよ」
マヤさんは僕の胸に頬をつけ、しがみついてくる。
「セクハラ親父がきても、シュウくんのことを想って我慢する」
声が震えていたので、もしかして、と思ったら、やはり、彼女は泣いていた。感情の浮き沈みが激しい方ではあるけれど、職場でよほど腹に据えかねることがあったのかもしれない。
僕はさりげなく、彼女を抱きしめて、水蜜桃に優しく愛撫を施した。先端のチェリーに口づけをしながら、右手の中指で彼女の敏感な部分を探る。予想通り、そこはしとどに濡れていた。
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『裸のプリンスⅢ』の御閲覧をありがとうございました。シュウの物語・第3弾はいかがだったでしょう。もし、お気に召したのなら、「お気に入り」登録をお願いいたします。どうぞ、お気軽に楽しんでください。前作の『裸のプリンス』、『裸のプリンスⅡ』、『愛のしたたる果実【R18】』、『ブラックアイドル【R18】』も合わせて、よろしくお願いいたします。
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