裸のプリンスⅢ【R18】

坂本 光陽

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淫らな女王様の蜜③

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「お願いします。今すぐ外して下さい」

 僕は作り笑顔でお願いする。安奈さんは顔を上気させて、おかしなテンションになっているが、粗暴な振る舞いに及ぶことはないだろう。

 こういうのは初めてだけど、プレイとして楽しむことは可能だと思う。ただ、一方的に始めるのは明らかなルール違反である。

「安奈さん、外してもらわないと、困ったことになります」

 僕は彼女の眼をジッと見つめる。

「ね、お願い。私、男の人が怖いのよ。ずっと嫌な目に合わされてきたから、こうしていないと安心できないの」

 どうやら、彼女は男性全般が信用できないということらしい。

「ごめんなさいね。おカネは上乗せするから」

 安奈さんは上体を倒して、両手で僕の顔を挟み込むと、情熱的に僕の唇を奪った。

 どう対応するか、僕は決断を迫られ、素早く頭を巡らせていた。このルールに反した状況は、ギャランティの上乗せで済む問題ではない。

 僕の両脚は自由なのだから、非情に徹して彼女の胴体を思い切り挟み込むことはできる。それをもって、手錠の拘束を解かせることは可能だろう。そうしても仕方のない状況だし、現時点でサービスを拒否するのが、正しい対応だ。

 だけど、安奈さんを肉体的に傷つけるのは、どうにも気が進まない。

 ある程度のリスクはあるが、ここは流れに身を任せてみることにする。僕の中のMがどうした反応を見せるか、それを見定めたい好奇心もあった。

 安奈さんの瞳は情欲に染まっていた。僕の唇から唇を外すと、僕の首筋や鎖骨に舌先を這わせる。敏感なチェリーにキスをされた時には、思わず身をよじってしまった。

「ああっ」

 恥ずかしいことに、声まで上げてしまう。同時に、下腹のあたりがゾクリとした。両手の自由を奪われただけで、痺れるような快感が湧き上がるのは、新たな発見だった。

「わかりました。安奈さん、あなたの好きなようにしてください」

 そんな従順な僕に彼女はキスの雨を降らせてきた。両手で僕の肌を撫ですさりながら、胸や腕に舌先を這わせたりもした。

「シルクみたいにスベスベね、シュウくんの肌。若いって素敵」

「安奈さんの真っ白な肌には負けますよ」お世辞でなく、本心からそう告げた。

「そんなこと全然ない」強く否定された。「ずっと内勤だし、夜勤も多くて、お日様の下にはほとんど出ていないだけよ」

「バカンスとか行かないんですか?」

「中間管理職だから、お盆休みだって二日だけ。それだって土日なんだから、平時と同じよ」

 なるほど、ストレスがかなり溜まっているらしい。
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『裸のプリンスⅢ』の御閲覧をありがとうございました。シュウの物語・第3弾はいかがだったでしょう。もし、お気に召したのなら、「お気に入り」登録をお願いいたします。どうぞ、お気軽に楽しんでください。前作の『裸のプリンス』、『裸のプリンスⅡ』、『愛のしたたる果実【R18】』、『ブラックアイドル【R18】』も合わせて、よろしくお願いいたします。
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