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コールボーイの休日③
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「そうだ、志保さん、チィちゃんのお母さんは元気にしているの?」
志保さんはバツイチの成熟した女性だった。同じスリムな体形なのに、申し訳ないが、チィちゃんと違って水蜜桃が豊かで、広い襟ぐりからのぞく真っ白な胸元がとてもまぶしかった。
「何か、いやらしい笑い方。Hなこと考えていたでしょ」
図星だけど、笑ってごまかす。
「ママは変わらず元気だよ。西新井のスポーツジムで今も水泳のインストラクターをしてる」
「へぇ、僕も教えてもらおうかな」
ただの軽口なのに、千鶴は敏感に反応した。
「残念でした。生徒は小学生低学年だけです」僕の方に顔を寄せて、小声で文句を言われた。「ママのおっぱい目当てなんでしょ。シュウさん、いやらしい」
「誤解だよ。志保さんは魅力的な女性だけど、そんな眼で見たことはない」
平然と嘘を吐けるほどには、僕も3年間で成長している。
そういえば、森脇家のエアコンの掃除を手伝っている時に、ゴキブリが吹出口から現れて、志保さんに抱きつかれたことがある。やわらかい水蜜桃をグイグイ押しつけられ、理性を保つのに努力を要したものだ。
何はともあれ、チィちゃんは難しいお年頃。ここはさりげなく、御機嫌をとっておかないと。
「20代にしか見えない若さだし、ハイティーンの娘のいるお母さんはさすがにないな。きれいになったチィちゃんなら、ストライクゾーンど真ん中だけどね」
「ふん、口先ばっかり」
「惜しいなぁ。彼氏がいなかったら、交際を申し込むのに、本当に残念だよ」
「そんな浮ついたこと言ってるから、彼女ができないんだよ」
千鶴は呆れ顔で言った。彼女がいない、という決め付けはどうかと思うけど、少し前にレイカさんに失恋したばかりなのだから、えらそうなことは言えない。
「ふわふわしていて、地に足がついていないよね。シュウさん、キチンと働いているの?」
「ああ、知人の仕事を手伝っている。これでも、頼りにされているんだよ」
ココナさんは知人に間違いないので、嘘は吐いてない。
「幸い、自分のやりたいようにやらせてもらっている。上から押し付けられるのは大嫌いだからね」
要は、しがらみや束縛が嫌いなのだ。
だが、彼女の関心は別なところにあった。
「シュウさんには絶対、しっかり者の彼女が必要だよと思うな。私がなってあげようか」
笑い飛ばそうとしたけど、千鶴の表情を見て押しとどめた。真剣味を帯びていて、頬すら赤く染めている。心臓の鼓動がこちらに伝わってきそうだった。
どうやら、彼氏ができたというのは嘘で、彼女がいない云々の下りは、僕に鎌をかけたということらしい。
「冗談でもうれしいよ。ただ、彼氏に申し訳ないから遠慮しておこうかな」
文句なしの黒髪美少女だけど、僕の好みからは外れている。昔馴染みだから、変に手を出して、ややこしい状況になることは避けたい。
志保さんはバツイチの成熟した女性だった。同じスリムな体形なのに、申し訳ないが、チィちゃんと違って水蜜桃が豊かで、広い襟ぐりからのぞく真っ白な胸元がとてもまぶしかった。
「何か、いやらしい笑い方。Hなこと考えていたでしょ」
図星だけど、笑ってごまかす。
「ママは変わらず元気だよ。西新井のスポーツジムで今も水泳のインストラクターをしてる」
「へぇ、僕も教えてもらおうかな」
ただの軽口なのに、千鶴は敏感に反応した。
「残念でした。生徒は小学生低学年だけです」僕の方に顔を寄せて、小声で文句を言われた。「ママのおっぱい目当てなんでしょ。シュウさん、いやらしい」
「誤解だよ。志保さんは魅力的な女性だけど、そんな眼で見たことはない」
平然と嘘を吐けるほどには、僕も3年間で成長している。
そういえば、森脇家のエアコンの掃除を手伝っている時に、ゴキブリが吹出口から現れて、志保さんに抱きつかれたことがある。やわらかい水蜜桃をグイグイ押しつけられ、理性を保つのに努力を要したものだ。
何はともあれ、チィちゃんは難しいお年頃。ここはさりげなく、御機嫌をとっておかないと。
「20代にしか見えない若さだし、ハイティーンの娘のいるお母さんはさすがにないな。きれいになったチィちゃんなら、ストライクゾーンど真ん中だけどね」
「ふん、口先ばっかり」
「惜しいなぁ。彼氏がいなかったら、交際を申し込むのに、本当に残念だよ」
「そんな浮ついたこと言ってるから、彼女ができないんだよ」
千鶴は呆れ顔で言った。彼女がいない、という決め付けはどうかと思うけど、少し前にレイカさんに失恋したばかりなのだから、えらそうなことは言えない。
「ふわふわしていて、地に足がついていないよね。シュウさん、キチンと働いているの?」
「ああ、知人の仕事を手伝っている。これでも、頼りにされているんだよ」
ココナさんは知人に間違いないので、嘘は吐いてない。
「幸い、自分のやりたいようにやらせてもらっている。上から押し付けられるのは大嫌いだからね」
要は、しがらみや束縛が嫌いなのだ。
だが、彼女の関心は別なところにあった。
「シュウさんには絶対、しっかり者の彼女が必要だよと思うな。私がなってあげようか」
笑い飛ばそうとしたけど、千鶴の表情を見て押しとどめた。真剣味を帯びていて、頬すら赤く染めている。心臓の鼓動がこちらに伝わってきそうだった。
どうやら、彼氏ができたというのは嘘で、彼女がいない云々の下りは、僕に鎌をかけたということらしい。
「冗談でもうれしいよ。ただ、彼氏に申し訳ないから遠慮しておこうかな」
文句なしの黒髪美少女だけど、僕の好みからは外れている。昔馴染みだから、変に手を出して、ややこしい状況になることは避けたい。
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『裸のプリンスⅢ』の御閲覧をありがとうございました。シュウの物語・第3弾はいかがだったでしょう。もし、お気に召したのなら、「お気に入り」登録をお願いいたします。どうぞ、お気軽に楽しんでください。前作の『裸のプリンス』、『裸のプリンスⅡ』、『愛のしたたる果実【R18】』、『ブラックアイドル【R18】』も合わせて、よろしくお願いいたします。
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