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明かされる真実②
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「近くのアパートに住む中堀さんを知っているね。彼が体操着泥棒だという君たちの推理は、千堂先生から聞かせてもらったよ。確認のために訊くんだけど、中堀さんが盗んだ場面を見たのは君たちではなく、別の生徒たちなんだね?」
「はい、残念ながら、僕たち何も見ていません」と、ウルマは応える。
「刑事さん、小学生の目撃者での証拠になるんでしょうか?」と、千堂先生が訊いた。「複数の生徒で一緒に見ているというので、信憑性は高いと思うのですが」
「そうですね。中堀が夜の校内にいたことは、校内で窃盗を行った疑いの裏付けとなります。ただ、何といっても、状況証拠より物的証拠の方が重要です」
「刑事さん、僕も体操着を盗まれた被害者の一人です」と、ウルマは言った。「中堀を厳しく取り調べてください。僕には確信があります。体操着の山が中堀のアパートにあるはずですよ」
「うん、確かに見つかったよ。段ボールに五箱もあった。もし、その中に君の体操着があれば、キチンと返すからね」
ウルマは顔をしかめて、
「いえ、僕は結構です。そんな体操着は二度と着たくありませんから」
水原さんは笑顔で頷いて、
「うん、よくわかった。とりあえず、動かぬ証拠があるんだから、何の問題はない。実は、中堀は窃盗の常習者でね。警備の薄い学校を中心に盗み回っていたんだ。間違いなく罪を償わせるから、安心してほしい」
水原さんは千堂先生に向き直り、
「ところで、先生はどうして、中堀と手を組んでいたんですか?」と、笑顔のまま訊ねた。
「はい、残念ながら、僕たち何も見ていません」と、ウルマは応える。
「刑事さん、小学生の目撃者での証拠になるんでしょうか?」と、千堂先生が訊いた。「複数の生徒で一緒に見ているというので、信憑性は高いと思うのですが」
「そうですね。中堀が夜の校内にいたことは、校内で窃盗を行った疑いの裏付けとなります。ただ、何といっても、状況証拠より物的証拠の方が重要です」
「刑事さん、僕も体操着を盗まれた被害者の一人です」と、ウルマは言った。「中堀を厳しく取り調べてください。僕には確信があります。体操着の山が中堀のアパートにあるはずですよ」
「うん、確かに見つかったよ。段ボールに五箱もあった。もし、その中に君の体操着があれば、キチンと返すからね」
ウルマは顔をしかめて、
「いえ、僕は結構です。そんな体操着は二度と着たくありませんから」
水原さんは笑顔で頷いて、
「うん、よくわかった。とりあえず、動かぬ証拠があるんだから、何の問題はない。実は、中堀は窃盗の常習者でね。警備の薄い学校を中心に盗み回っていたんだ。間違いなく罪を償わせるから、安心してほしい」
水原さんは千堂先生に向き直り、
「ところで、先生はどうして、中堀と手を組んでいたんですか?」と、笑顔のまま訊ねた。
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