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明かされる真実①
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いつものウルマなら、先生の言葉なんか無視して、自由気ままに動き回っていたはずだ。なのに、そうした気配を少しも見せない。ウルマが危ないことを始めたら、僕は断固阻止するつもりだったけど、見事に肩透かしをくらった形だ。
ウルマは一体、何を考えているのだろう? どうにも我慢できなくなった。昼休みにウルマをつかまえて、僕は率直に問いただした
「おい、〈夜の校長〉事件のことだけど、このままでいいのかな?」
「うん? シロ、どういうことだい?」
「ええと、つまり、ウルマが先生に語った謎解きで事件はすっかり終わったのか、ということだよ」
ウルマは鼻で笑って、
「冗談を言ってもらっちゃ困るな。まだ何ひとつ終わっちゃいないさ。僕は今、待っているんだ。仕掛けは済ませたからね」
もっとも、何を待っているのか、何を仕掛けたのか、まったく教えてはもらえなかった。
だが、その後、事態は急変する。5時間目に入ってすぐ、パトカーのサイレンが聞こえてきたのだ。騒々しい音は次第に大きくなっていく。
パトカーは南門の前に現れた。2人の警察官はアパートの中に入っていくと、しばらくして中堀さんを連行していった。
これがウルマの待っていたことなのか? 僕はウルマの方を振り向くと、ウルマは案の定、笑顔で頷いた。
僕たちが授業を受けている間に、いろいろなことが急速に進んだらしい。放課後になると、ウルマと僕は千堂先生に呼ばれた。警察の方がやってきたという。
僕たちは学校の応接室で、僕は刑事さんと対面した。
「こんにちは、僕は若草警察署生活安全課の水原といいます。これからいくつかの質問をするので、落ち着いて答えてほしい」
銀縁眼鏡をかけて頭の良さそうな男の人だった。刑事さんには怖そうなイメージがあるけれど、普通の会社員のように見えた。
僕とウルマはソファに並んで腰をかけ、向かい側のソファに水原さんと先生が座る。
ウルマは一体、何を考えているのだろう? どうにも我慢できなくなった。昼休みにウルマをつかまえて、僕は率直に問いただした
「おい、〈夜の校長〉事件のことだけど、このままでいいのかな?」
「うん? シロ、どういうことだい?」
「ええと、つまり、ウルマが先生に語った謎解きで事件はすっかり終わったのか、ということだよ」
ウルマは鼻で笑って、
「冗談を言ってもらっちゃ困るな。まだ何ひとつ終わっちゃいないさ。僕は今、待っているんだ。仕掛けは済ませたからね」
もっとも、何を待っているのか、何を仕掛けたのか、まったく教えてはもらえなかった。
だが、その後、事態は急変する。5時間目に入ってすぐ、パトカーのサイレンが聞こえてきたのだ。騒々しい音は次第に大きくなっていく。
パトカーは南門の前に現れた。2人の警察官はアパートの中に入っていくと、しばらくして中堀さんを連行していった。
これがウルマの待っていたことなのか? 僕はウルマの方を振り向くと、ウルマは案の定、笑顔で頷いた。
僕たちが授業を受けている間に、いろいろなことが急速に進んだらしい。放課後になると、ウルマと僕は千堂先生に呼ばれた。警察の方がやってきたという。
僕たちは学校の応接室で、僕は刑事さんと対面した。
「こんにちは、僕は若草警察署生活安全課の水原といいます。これからいくつかの質問をするので、落ち着いて答えてほしい」
銀縁眼鏡をかけて頭の良さそうな男の人だった。刑事さんには怖そうなイメージがあるけれど、普通の会社員のように見えた。
僕とウルマはソファに並んで腰をかけ、向かい側のソファに水原さんと先生が座る。
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