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エレメンツ・リンク②

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「騒動の鎮静化? おまえに、そんなことができるのか?」

 ウルマはコクンと頷いた。千堂先生は腕時計を見やりながら、ベンチに腰を下ろす。

「わかった。10分だけ付き合ってやる」

 ウルマに促されて、僕も先生の隣に座った。

「さて、どこから始めましょうか」と、ウルマは立ったまま話し始めた。「騒動のきっかけになった、生首写真の件がいいですね。あれが校庭で見つかったのは金曜日の朝でした。写真がばらまかれたのは、前日の深夜か当日の早朝でしょう。もう一度、先生にお訊ねしますが、騒動を巻き起こした犯人を特定するために、防犯ビデオを見せてもらえませんか?」

「前にも同じことを言ったが、部外者には見せられない」

「なるほど。でも、本当は違いますよね。防犯ビデオは見せたくても見せられない。なぜなら、何も映っていないから。というより、まったく機能していないから。校庭や校内に設置された防犯カメラは見せかけにすぎず、本来の役割を果たしていないはずです」

「どうして、そんなことがわかるんだ?」と、僕は訊いた。

「もし、防犯ビデオに犯人が映っていたら、その生徒が呼び出されて怒られるはずだからさ。でも、その手の情報は僕の網には引っかからなかった。噂すらなかった。ということは、カメラは役立たずという証拠じゃないか」

「おいウルマ、今、犯人のことを生徒って言ったな」と、僕。
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