黒き学び舎 ~僕たちの生首事件~

坂本 光陽

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生首の正体②

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「あれ、妙なことを言いますね。僕は噂など信じていませんよ。信じているのは現実だけですし、例の生首写真をばらまいた犯人を知りたいだけです」

 ウルマは千堂先生に執拗に訴えた。どんなに怒られても引き下がらない。長い付き合いなので、ウルマの性格はよくわかっている。こだわりが強く、とにかく執念深いのだ。

「あれは警備上のものだから、部外者には見せられない。くだらないことに興味をもつな。もうこの話は終わりだ」
 千堂先生はぴしゃりと言って、それ以上の追及を許さなかった。

「ウルマ、教えてくれよ。なぜ、そんなに防犯ビデオを見たがるんだ?」
 給食を食べ終えての昼休み、僕たちは窓際の席で日光浴をしていた。

「興味本位で見てみたいわけじゃない。もちろん、〈夜の校長〉事件の謎をつまびらかにするためさ。いいかいシロ、僕は生首写真と生首の持ち主の関連性を考えている」
「生首の持ち主? 関連性?」

「シロ、あの生首は誰なのか、君にわかるかい?」
「ええっ、ウルマは誰なのか、知っているのか?」

 ウルマは笑顔で頷いた。
「おいおい、あの生首に見覚えがないのか?」
「教えろよ。誰なんだよ、やっぱり死神か?」

「はあっ、死神だって? バカなことを言うなよ」
「……じゃあ、教えてくれよ。あれは誰なんだ?」
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