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生首の目撃談③

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 最初の目撃者は3年の女子だった。夕方に忘れ物をとりに小学校に戻った時、校門近くの大きな桜の木の上に、〈夜の校長〉がいたという。ニヤニヤと気味の悪い笑い方をしており、女子は悲鳴を上げて逃げかえったらしい。

 4年女子は、体育館の中で目撃していた。体操クラブを終えて帰ろうとした時、〈夜の校長〉が窓から覗き込むようにしていたらしい。不気味な灰色の顔をして、やはり、ニヤニヤと笑っていた。

 次の目撃者は複数だった。体育館では毎週水曜日に剣道教室が開かれているのだが、練習が終わった後、6年の男子3人が校庭で〈夜の校長〉を見ている。生首は真っ暗な教室の中に青白く浮かんでいたらしい。ふわふわと移動して、すぐに消えてしまったという。

 放課後、帰り道にある児童公園のベンチに腰を下ろすと、ウルマは言った。

「他にも目撃談もあったが、具体性があって参考になりそうなのは、この3件ぐらいだな」そう言って、肩をすくめた。「ただ、どれもこれも、ただの見間違いだと思う。人間ってやつは、簡単に錯覚をしてしまう。この3件だって、すべて科学的に説明がつくんだ」

「それって、どういうこと?」
「少し考えれば、誰にだってわかることさ。シロも頭を使って考えてみるといい」
「ウルマ、もったいぶらずに、その科学的な説明とやらを教えてくれよ」

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