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校庭パニック①
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僕たち小学生の日常は基本的に、平凡な日々の繰り返しだ。
時折り、運動会や遠足などのイベントがあり、転校生や授業参観などの非日常があるけれど、テレビで取り上げるような事件は起こらない。
せいぜい、近所の住人が学校に怒鳴り込んできたり、生徒の体操着が盗まれたりする程度である。後者は変態の仕業だという噂なので、男の僕でも気味が悪かったけど。
さて、そろそろ、若草小学校で発生した事件について語ろうと思う。ウルマの方が適役だと思うけど、「いや、そんな雑事に僕は関わっていられない。暇人のシロがすべきだよ」と命じられたからだ。
仮に、〈夜の校長〉事件と呼ぼう。
発端は6月中旬の月曜日のこと。ウルマと僕がいつものように登校すると、生徒たちが校庭で騒いでいた。彼らの足元には、数多くの紙切れが落ちている。それはキャビネサイズの写真だった。つまり、大量の写真が校庭にばらまかれていたのだ。
「やだぁ、何なの、これ」「うえぇ、気持ちわるい」と、生徒たちは顔をしかめている。
ウルマが拾った写真を一緒に見ると、それは不気味な代物だった。
僕たちの小学校が写っているのだが、校舎の横に奇妙なものが写りこんでいた。そいつは校舎の二階の高さにいて、風船みたいに宙に浮かんでいた。最初はサッカーボールかなと思ったけど、よくよく目を凝らしてみると……。
「ウルマ、これって、まさか、あれかなぁ」
「ああ、僕も今、同じことを考えていたよ」
時折り、運動会や遠足などのイベントがあり、転校生や授業参観などの非日常があるけれど、テレビで取り上げるような事件は起こらない。
せいぜい、近所の住人が学校に怒鳴り込んできたり、生徒の体操着が盗まれたりする程度である。後者は変態の仕業だという噂なので、男の僕でも気味が悪かったけど。
さて、そろそろ、若草小学校で発生した事件について語ろうと思う。ウルマの方が適役だと思うけど、「いや、そんな雑事に僕は関わっていられない。暇人のシロがすべきだよ」と命じられたからだ。
仮に、〈夜の校長〉事件と呼ぼう。
発端は6月中旬の月曜日のこと。ウルマと僕がいつものように登校すると、生徒たちが校庭で騒いでいた。彼らの足元には、数多くの紙切れが落ちている。それはキャビネサイズの写真だった。つまり、大量の写真が校庭にばらまかれていたのだ。
「やだぁ、何なの、これ」「うえぇ、気持ちわるい」と、生徒たちは顔をしかめている。
ウルマが拾った写真を一緒に見ると、それは不気味な代物だった。
僕たちの小学校が写っているのだが、校舎の横に奇妙なものが写りこんでいた。そいつは校舎の二階の高さにいて、風船みたいに宙に浮かんでいた。最初はサッカーボールかなと思ったけど、よくよく目を凝らしてみると……。
「ウルマ、これって、まさか、あれかなぁ」
「ああ、僕も今、同じことを考えていたよ」
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