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リベンジ・ラブ㉘(完)

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「シュウくん、早く来て」
「はい、痛かったら仰ってくださいね」

 バナナの先端をザクロの入口に押し当てると、スルリと抵抗なく潜り抜けた。入口あたりをゆっくりかき回し、二つの果実を馴染ませる。

 レイカさんは久し振りのセックスなのだ。急いではならない。ゆっくりと抽送を繰り返し、先端のくぼみを使ってGスポットを刺激したりする。

 頃合いを見て、腰を前に進めた。彼女の一番奥を軽くノックする。

「ああっ」

 レイカさんは腰を跳ね上げて、身体を大きくよじってしまう。美しい腹筋が痙攣していた。どうやら、一気に達してしまったらしい。バナナを引き抜こうとすると、レイカさんが僕の腰を押さえた。

 首を少し横に振り、「このまま」と、唇の形で伝えてきた。腰に回した両手を引き寄せる動きも見せた。とてもセクシーで赤裸々な御要望だった。

「レイカさん、僕、もう我慢ができません。ケダモノみたいに抱いてもいいですか?」

 潤んだ瞳で小さく頷いた。

 僕はケダモノになって疾走した。最初は軽やかに、次第に速度を速める。力強さと逞しさ、緩急とリズムに気を使いながら、彼女のリビドーを翻弄した。

 レイカさんもケダモノだった。互いの身体をむさぼるように、エネルギッシュなセックスは続く。

「あああああ」

 レイカさんが全身を震わせながら、二度目のエクスタシーに達した。

 シャワールームで汗と体液を洗い流してから、今度は小さい方のベッドルームで交わった。ステディへの復讐という意味合いは消え、ただ男と女が一つになるだけ。

 まるで、プライベートのセックスのようである。4年前、レイカさんに一目ぼれをしてから、こういう時を待っていたのではなかったか?

「レイカさん、浮気男のことなんか、早く忘れてください」

 正常位で抽送を行いながら、僕は彼女の眼を見つめた。

「率直に言います。レイカさん、愛しています。僕と結婚してください」

 半分は冗談だが半分は本気だった。

「ありがとう。いいわよ」彼女は満面の笑顔で言ってくれた。「シュウくん、私を君の奥さんにして」

 もちろん、本気ではない。おそらく、リップサービスだと思われたのだろう。これはベッド上の戯言である。

 だけど、僕は報われた気がした。二度目のシャワーを浴びて、身支度を済ませると、もう次の仕事が迫っていた。

「シュウくん、成長したね。今の君は一流のコールボーイだと思う」

 レイカさんは笑顔で言ってくれた。数時間前から一変して素晴らしい笑顔だ。もしかすると、この表情を見るために、僕はこの仕事をしているのかもしれない。

「ありがとうございます。どうぞ、また御指名ください」

 マンションから一歩外に出ると、素早く頭を切り替えた。次のお客様を待たせてはならない。僕はタクシーを捕まえるために、大通りへと走り始めた。


              『裸のプリンス』・了

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