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愛欲トラップ⑥

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「お水、とってきましょうか?」
「ううん、大丈夫。自分でやるから」

 でも、立ち上がろうとして、またよろけてしまった。僕は手を伸ばして、彼女を支える。

「立てない。腰が砕けちゃったみたい」

 僕は笑顔を浮かべて、冷蔵庫からペットボトルの水をとってきた。

「シュウくん、飲ませて」

 急に甘えん坊になった彼女のために、快くキャップを開けて差し上げる。しかし、彼女の望みは、そうではなかったらしい。

 潤んだ瞳が求めているのは、口移しだった。僕はペットボトルの水を口に含むと、彼女と唇を交わし、その願いを叶えて差し上げる。少し彼女の胸元にこぼれてしまったけど。

「……シュウくん」

 サキさんが僕にしがみついてきた。バスルームでは僕が衝動的に襲ってしまったけど、そのせいで彼女の欲望に火をともしたようだ。身体にまいていたバスタオルが床に落ち、小ぶりの水蜜桃が僕に押しつけられる。

「……シュウくん、抱いて」
「優しくしますか、それとも荒々しく?」

 プライベートなのに、仕事の時のように訊ねてしまう。職業病かもしれないな、と自嘲した。
 サキさんは何も言わず、僕を抱きしめることで返答にかえた。腰に巻いたタオルが床に落ちる。

「ちょっと待ってください」

 今度はキチンと避妊具を装着した。僕のそれは、いつものチョコバナナになる。右手で二度三度しごいただけで、逞しく屹立してしまう。

 窓の外では、激しい風雨が続いている。僕のリビドーが猛り狂ったのは、荒れた天候のせいかもしれない。それは彼女も同じようだ。いつもはクールな双眸が今は情欲に染まっている。

「……シュウくん」

 サキさんは跪き、僕のそれを頬張ってくれた。心から愛情を込めて、ひたむきな情熱を伝えてくる。

 慣れていないせいか、ぎこちなさはあるけれど、健気な愛撫だった。イリーガルな仕事をしている僕が、女性警察官のオーラルな奉仕を受けているのだ。新鮮な味わいがある。サキさんは上目遣いで、僕の反応をうかがってきた。

「ありがとうございます。サキさん、とても気持ちいいです」

 そう言って、彼女の髪を優しくなでて差し上げる。薄暗い部屋の中でも、彼女の変化は把握できる。間はあいてしまったけど、これまでに数回、身体を重ねているのだ。表情と仕草だけで、何を求めているかは一目瞭然である。
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