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淫らなアクトレス②
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「どうして? おカネなら多めに払うわよ」
「いえ、ギャランティの問題でなくて、ケジメの問題です」
ココナさんの事務所『ナイトジャック』は休業中なので、今はレイカさんの『キャッスル』のお世話になっている。今回はプライベートなので、事務所を通していない。だから、セックスの対価として、おカネをもらうわけにはいかない。
業界では「とっぱらい」といって、こっそり直接取引をすることがあるらしい。マネージメント料を抜かれることがないので、その方が実入りはよいが、金銭欲の薄い僕は事務所との信頼関係を重んじる。
「堅いなぁ。シュウくんが黙っていれば、わかりっこないのに」
「すいません。でも、これはケジメですから」
「じゃあさ、プライベートのHなら? シュウくん、私に何か、訊きたいことがあるんでしょ。それを教えてあげる代わりに、君は私とHするっていう交換条件は?」
メイさんは悪戯っぽく笑った。
「それは、どうでしょうか?」
苦笑でやりすごそうとするが、彼女は引かない。
「嘘でしょ? 全然ありだよ。ウィンウィンじゃない」
「……」
「シュウくん、真面目すぎ。もっといいかげんでいいよ。メイなんか弄んでやるぜ、てな具合に」
ここまで性欲に素直で、あからさまだと、いっそ爽快ですらある。
「女の子にここまで言わせておいて、まさか逃げたりしないよね」
止めとばかりに可愛らしく上目遣い。メイさんのファンなら、卒倒必至のそれだ。僕の理性をかき乱し、心をざわつかせる。女性がその気になったら、男性には最初から勝ち目などなかったのだ。
「わかりました。とりあえず、落ち着いて話せるところに行きましょう」
まず、彼女のリスクを排除することが第一である。もし、この状況をパパラッチに狙われたら、目も当てられない。
さて、どこに行こうか? 人目に触れやすいカラオケボックスや個室喫茶は避けたいところだ。こういう時のために事務所所有のマンションがあるのだが、プライベートで使用するのは御法度である。
「ね、この近くにある友達の部屋を借りてあるの。実は、最初からそこに行くつもりで、ここを待ち合わせ場所にしたわけだけどね」
そう言って、メイさんはにっこり笑った。
「いえ、ギャランティの問題でなくて、ケジメの問題です」
ココナさんの事務所『ナイトジャック』は休業中なので、今はレイカさんの『キャッスル』のお世話になっている。今回はプライベートなので、事務所を通していない。だから、セックスの対価として、おカネをもらうわけにはいかない。
業界では「とっぱらい」といって、こっそり直接取引をすることがあるらしい。マネージメント料を抜かれることがないので、その方が実入りはよいが、金銭欲の薄い僕は事務所との信頼関係を重んじる。
「堅いなぁ。シュウくんが黙っていれば、わかりっこないのに」
「すいません。でも、これはケジメですから」
「じゃあさ、プライベートのHなら? シュウくん、私に何か、訊きたいことがあるんでしょ。それを教えてあげる代わりに、君は私とHするっていう交換条件は?」
メイさんは悪戯っぽく笑った。
「それは、どうでしょうか?」
苦笑でやりすごそうとするが、彼女は引かない。
「嘘でしょ? 全然ありだよ。ウィンウィンじゃない」
「……」
「シュウくん、真面目すぎ。もっといいかげんでいいよ。メイなんか弄んでやるぜ、てな具合に」
ここまで性欲に素直で、あからさまだと、いっそ爽快ですらある。
「女の子にここまで言わせておいて、まさか逃げたりしないよね」
止めとばかりに可愛らしく上目遣い。メイさんのファンなら、卒倒必至のそれだ。僕の理性をかき乱し、心をざわつかせる。女性がその気になったら、男性には最初から勝ち目などなかったのだ。
「わかりました。とりあえず、落ち着いて話せるところに行きましょう」
まず、彼女のリスクを排除することが第一である。もし、この状況をパパラッチに狙われたら、目も当てられない。
さて、どこに行こうか? 人目に触れやすいカラオケボックスや個室喫茶は避けたいところだ。こういう時のために事務所所有のマンションがあるのだが、プライベートで使用するのは御法度である。
「ね、この近くにある友達の部屋を借りてあるの。実は、最初からそこに行くつもりで、ここを待ち合わせ場所にしたわけだけどね」
そう言って、メイさんはにっこり笑った。
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