上 下
21 / 82

欲望のキャッスル⑫

しおりを挟む
 けれど、外見の美しさや性欲の強さ、快楽の感度といったものは、セックスにおいては二の次になるはずだ。

 結局のところ、セックスは互いに理解し合い、心身ともに一つになる究極のコミュニケーションである。こうして、冬子さんのような聡明でセンスのよい女性と身体を重ねていると、つくづくそう実感する。

「シュウくん、本当に会いたかった。抱いてほしかったの」
「ありがとうございます。僕も想いは同じです。冬子さんに喜んでいただいて、こんなにうれしいことはありません」

 愛の言葉を交わしながら、僕は腰をゆっくり動かす。二人とも両脚を伸ばしたままだから、バナナの先端は奥底まで届かない。

 でも、絶妙な強さでバナナの側面とふくらんだ果粒を擦り合わせることは可能だ。僕は緩急をつけて、擦り合わせる。決して激しくはないが、的確に冬子さんのスイートスポットを刺激する。

 これもまた、セックスのあり方の一つだ。とりわけ、体力にない方にはお勧めしたい。できるだけ優しく、彼女の反応を見ながら、という二つがポイントだ。

 セックスの最中に会話をしないカップルもいると思うけど、できればコミュニケーションをとってもらいたい。それぞれの趣味嗜好について話し合い、協力し合って試行錯誤を重ねて行けば、より一層、強い絆で結ばれるはずだ。

 ちなみに、冬子さんはシャイなので、恥ずかしい言葉はめったに口にしない。だから、言葉責めは慎んでいる。その代り、ゆるやかに快感を高めていくことを目指している。インサートの激しさではなく、敏感なスポットを的確に刺激してさしあげるイメージだ。

 エクスタシーに達する時のはじらいを含んだ表情は、知的で慎ましいタイプの彼女であるだけに、たまらなくセクシーである。

 そんな冬子さんに恥ずかしい言葉を吐かせて、思い切り乱れる姿を見てみたい気もするが、それはあまりにも一方的な我が儘というものだろう。

 僕はあくまで、彼女の好みに合わせて、デリケートな愛撫と抑制の利いたセックスに徹する。バナナの抽送だけでなく腰を回したり振動を加えたりしながら、彼女を高みへと導いていく。

 そのうち、冬子さんの声が高くなってきた。せつなげに僕の名前を呼びながら、可愛らしく身体を小刻みに震わせた。

 エクスタシーに達してしまったのだ。僕が腰を止めて、彼女の顔を覗き込む。目元を赤く染めて、恥じらいの表情を浮かべていた。

「よかったですか?」

 そう言うと、コクンと頷いて、両手で顔を覆ってしまった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【R-18】デッカイ幼馴染のバレンタインデー大作戦!!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:11

お見合い結婚が嫌なので子作り始めました。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:106pt お気に入り:522

短編小説 ドジっ子さちこが義母だったら。。。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:9

俺 玖美さんについて行く 一緒に幸せになろう!

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:1

淫靡な香りは常日頃から

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:120pt お気に入り:14

一妻多夫制

SF / 完結 24h.ポイント:511pt お気に入り:32

ママ友は○友

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:14

楽しい交尾 放出うなぎ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:0

処理中です...