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悦楽のアクトレス⑤

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 僕はフルスロットルで駆け続けた。メイさんの悲鳴を味わいながら、全身全霊で愛情を注ぎ込んでいく。

 セックスには時として、スパイスが必要である。いつもと違うファクターが入ると、ルーティーンさえ新鮮に思えてくるから不思議だ。枕元におかれたスマホは、僕たちのセックスに有効なスパイスだった。

 メイさんもNさんの耳を意識しているはずだ。さすが女優さんだけあって、たまらなくセクシーな声を上げ続けている。

 清純派で知られる彼女のファンが聴いたら、おそらく卒倒してしまうだろう。僕のリビドーも大いに刺激を受ける。

 もっと気持ちよくなってもらいたい。そんな想いを抱きながら、僕はそそり立ったバナナで、メイさんのザクロを貫く。情熱的に貫き続ける。エクスタシーに達しても、僕は腰を止めなかった。

「どうして、どうしてなのっ」

 間をおかずに二度のエクスタシー。三度目と四度目は立て続けだった。メイさんは僕の名前を何度も呼ぶ。おそらく、Nさんにも聞かれている。

 そろそろ僕も限界である。僕は彼女のエクスタシーと合わせる形でトリガーを引き絞った。

 断続的な体液の放出が、繰り返しザクロの奥底を打つ。メイさんはのけ反りながら、ケダモノのような悲鳴を上げた。

 最高の快感が全身を貫き、頭の中が真っ白になる。

 動きを止めると、とたんに全身から汗が吹き出した。メイさんの身体に汗が落ちないように、彼女の脇に静かに倒れ込む。

 僕たちは呼吸を整えながら、しばし快感の余韻に浸る。メイさんと眼が合った。

「シュウくん、すごくよかった」

 そう言って、抱きついてきた。情熱的に唇を交わす。この時、スマホの件はすっかり忘れていた。避妊具の後始末をして、ふと思い出した時には、すでに通話は切れていた。

 Nさんはどこまで聞いていたのだろう? メイさんが何度も繰り返し口にしたので、「シュウ」という名前を知られたかもしれない。

 腕利きの調査マンが本腰を入れれば、簡単に僕まで辿り着けるだろう。後々面倒なことにならなければいいけれど……。

 まぁ、今、くよくよ考えても仕方がない。性欲を満たした後は食欲の番だ。メイさんがケータリングで取り寄せた沖縄料理を御馳走になった。
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