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ボーイズ・エクスタシー①
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真冬だというのに、蒸し暑さで目が覚めた。
喉の奥が渇ききっている。エアコンを点けっぱなしで眠ったせいだろう。水が欲しい。誰か、コップ一杯の水をもってきてくれ。夢うつつの状態で、僕は呟いた。
眠るときは蛍光灯を全部消すので、部屋の中は漆黒の闇である。寝ぼけ眼の僕には何も見えない。エアコンが静かな音を立てているだけだ。
身体を起こそうとして気づいた。僕は金縛りにあっている。
いや、そうではない。僕の身体の上で何かが蠢いている。タオルケットにくるまって眠っていたのに、いつのまにか剥ぎとられ、僕は全裸にされていた。
下半身が熱く燃え上がり、バナナは恥ずかしいほど屹立している。暗闇に少しずつ目が慣れてきた。カーテンの隙間から月光が差し込み、彼の横顔を浮かび上がらせる。
美しい獣だった。『キャッスル』の元同僚、カズである。短い金髪は変わらないが、痩せて頬がこけていた。体重をかけられているはずなのに、少しも重くない。
ただ、肉が落ちた分、凄みが増したようだ。荒んだ暮らしを送っていることは想像に難くない。
カズは舌先を這わせながら、僕のバナナに愛撫を加えている。僕が目覚めたことも気づいているはずなのに、一心不乱な様子で続けている。
思わず、溜め息を吐く。カズを跳ねのけたり、文句を言ったりするのなら、これが最後のチャンスだった。なのに、何もできなかった。
寝起きで頭が働いていないのか、感情が麻痺しているのか。
いや、正直に言おう。僕は快感に溺れてしまったのだ。カズの愛撫は強すぎず弱すぎず、一言でいえば絶妙だった。
それでも、カズが持ち前のテクニックで、僕を誘惑しようとしているなら、簡単に跳ねのけられただろう。それができないのは、カズが心の底から、必死に求めていたからだ。
一年前の許しを乞うているのか?
それとも、現在の窮地から救い出してほしいのか?
寝起きのせいか、僕の考えはまとまらない。カズのもたらす快楽が思考の集中を阻んでいる。
やがて、屹立したバナナはあたたかな粘膜に包まれた。湿った音を立てながら、カズは僕に奉仕する。そんなことは誰も求めていないのに。
カズの指先が肌の上を這いまわる。だけど、ひどく荒れた指先なので、引っかかれているようだ。一年前には考えられない無作法である。
僕は手を伸ばして、カズの手を握りしめた。やんわりとオーラルな愛撫を止めさせた形だ。
僕たちは暗闇の中で見つめ合う。カズは照れたような微笑みを浮かべた。僕はゆっくりと彼を引き寄せる。
喉の奥が渇ききっている。エアコンを点けっぱなしで眠ったせいだろう。水が欲しい。誰か、コップ一杯の水をもってきてくれ。夢うつつの状態で、僕は呟いた。
眠るときは蛍光灯を全部消すので、部屋の中は漆黒の闇である。寝ぼけ眼の僕には何も見えない。エアコンが静かな音を立てているだけだ。
身体を起こそうとして気づいた。僕は金縛りにあっている。
いや、そうではない。僕の身体の上で何かが蠢いている。タオルケットにくるまって眠っていたのに、いつのまにか剥ぎとられ、僕は全裸にされていた。
下半身が熱く燃え上がり、バナナは恥ずかしいほど屹立している。暗闇に少しずつ目が慣れてきた。カーテンの隙間から月光が差し込み、彼の横顔を浮かび上がらせる。
美しい獣だった。『キャッスル』の元同僚、カズである。短い金髪は変わらないが、痩せて頬がこけていた。体重をかけられているはずなのに、少しも重くない。
ただ、肉が落ちた分、凄みが増したようだ。荒んだ暮らしを送っていることは想像に難くない。
カズは舌先を這わせながら、僕のバナナに愛撫を加えている。僕が目覚めたことも気づいているはずなのに、一心不乱な様子で続けている。
思わず、溜め息を吐く。カズを跳ねのけたり、文句を言ったりするのなら、これが最後のチャンスだった。なのに、何もできなかった。
寝起きで頭が働いていないのか、感情が麻痺しているのか。
いや、正直に言おう。僕は快感に溺れてしまったのだ。カズの愛撫は強すぎず弱すぎず、一言でいえば絶妙だった。
それでも、カズが持ち前のテクニックで、僕を誘惑しようとしているなら、簡単に跳ねのけられただろう。それができないのは、カズが心の底から、必死に求めていたからだ。
一年前の許しを乞うているのか?
それとも、現在の窮地から救い出してほしいのか?
寝起きのせいか、僕の考えはまとまらない。カズのもたらす快楽が思考の集中を阻んでいる。
やがて、屹立したバナナはあたたかな粘膜に包まれた。湿った音を立てながら、カズは僕に奉仕する。そんなことは誰も求めていないのに。
カズの指先が肌の上を這いまわる。だけど、ひどく荒れた指先なので、引っかかれているようだ。一年前には考えられない無作法である。
僕は手を伸ばして、カズの手を握りしめた。やんわりとオーラルな愛撫を止めさせた形だ。
僕たちは暗闇の中で見つめ合う。カズは照れたような微笑みを浮かべた。僕はゆっくりと彼を引き寄せる。
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『裸のプリンスⅣ』の御閲覧をありがとうございました。シュウの物語・第4弾はいかがだったでしょう。もし、お気に召したのなら、「お気に入り」登録をお願いいたします。どうぞ、お気軽に楽しんでください。前作の『裸のプリンス』、『裸のプリンスⅡ』、『裸のプリンスⅢ』『愛のしたたる果実【R18】』、『ブラックアイドル【R18】』も合わせて、よろしくお願いいたします。
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