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逝けない女Ⅱ⑥

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 普段は責める側にいるだけに、責められる側に立つと、いろいろなことに気づく。自分が愛撫に弱いことを思い知らされた。

 マリコさんは大胆さを発揮して、僕の身体にキスの雨を降らせる。若い男の身体を思う存分味わっている。それはそれで構わない。

 ただ、彼女に主導権を握られたままでは、また女性上位の体位でつながることになる。コールボーイの立場からすると、もっとセックスのバリエーションを楽しんでもらいたい。

 彼女の愛撫を受けて、僕のバナナは勢いを取り戻していた。鋼の硬さで屹立しているのだ。主導権を奪うためには、責めに転じなければならない。

 マリコさんが顔を寄せてきた時を逃さず、僕は彼女の唇を奪った。舌を差し入れて、大胆に絡め合う。両手の自由を奪われても、口腔の粘膜を愛撫することは可能だ。

 尖らせた舌先でデリケートな粘膜を責め立てる。彼女には、思いもつかない快感だったのだろう。僕の両手を抑えつける力がゆるんだ。

 この機を逃してはならない。僕は唇を交わしたまま、上体を起こす。両手の指先でシルキータッチを施しながら、彼女の身体を抱きしめる。

「マリコさん、もっと楽しませて差し上げます。僕に任せてください」

 そう伝えて、愛撫を続けながら、彼女の背後に回り込む。

 振り向かせた唇にキスをしながら、シルキータッチの指先を水蜜桃に這わせる。マリコさんは僕の手に手を重ねて、自分の胸に押しつける。

 もっと強く、もっと激しく愛撫してほしい、と無言で訴えている。

 でも、僕は違った形で、マリコさんに願いを叶えようと思う。愛撫を続けながら、ゆっくり彼女の背中に体重をかけていく。

 彼女の上体がベッドに突っ伏して、腰を突き上げた態勢になった。もし、彼女が格闘家なら、バックをとられるのは屈辱以外の何物でもないはずだ。

 でも、彼女に拒絶の気配は見られない。これから僕が始める行為を求めているのだ。

「マリコさん、これから全身全霊で、愛して差し上げます」

 そっと囁いて、腰を重ねていく。

 後背位は、最も獣に近い体位である。この体位のメリットは、女性の奥底まで貫きやすく、Gスポットに当てやすいこと。女性も前後に動きやすく、ダイナミックな交わり方が可能となる。

 立ちバックなど様々なバリエーションがあるけれど、まずは膝立ちの状態でオーソドックスに責めていく。ザクロの内面がうねり始めて、下半身が強烈な快感に襲われる。

 だけど、二回目のセックスだし、プロなので同じミスは繰り返さない。絞りとられるような感覚にも慣れてきた。
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