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逝けない女④

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 押し殺した悲鳴。腰をくねらせて、僕にしがみついてきた。

「大丈夫です。ゆっくり、しますからね」

 そう言って、彼女を優しく抱きしめる。女性の最も敏感な果粒に、蜜をからめた中指の腹を押し当てる。

「ゆっくり、ゆっくり」

 小さく呟きながら、中指を回す。再び、押し殺した悲鳴。

「たっぷり楽しんでください。我慢していないで、声は外に出した方がいいですよ」

 ゆっくりと中指の愛撫を続ける。同時に、人差し指と薬指でザクロの周辺をこすり上げる。

「ああっ」

 ようやく、梨美さんの唇から声がもれた。僕の二の腕を掴んだ指先に力がこもる。

「どうですか? 気持ちいいですか?」
「いじわる、シュウくんのいじわるっ」

 心外な物言いだけど、気持ちは理解できる。梨美さんの中では、快感の欲求より羞恥心の方が勝っているのだ。

「そうですね、人からよく言われます。僕はいじわるだから、愛撫の手を止めたりしませんよ」

 敏感な果粒に触れる指先に力を込める。

「んん、ああん」

 梨美さんの身体が反り返った。

「いじわる、ほんと、いじわるっ」

 仕返しのように、二の腕に爪を立てられた。

「ふふっ、全然痛くないですよ」

 からかい口調で囁くと、梨美さんは悔しそうに唇を噛みしめた。そんな反応も可愛らしい。もっと喜ばせてあげたい、と思う。

 ふと、彼女が鳥肌を立てていることに気づいた。でも、僕の愛撫を嫌っているわけではない。

 中指で小さな円を描きながら、デリケートな愛撫を続ける。敏感な果粒から少しずらす。濡れそぼったザクロの方へ。息を飲む気配を感じた。

「指を軽く入れてみますか?」耳元で囁いた。
「……?」意味がわからなかったようだ。

 軽く指先でザクロの入口に触れてみる。ピクンと身体を震わせた。驚いたように、僕を見つめる。

「もちろん、梨美さんが嫌だったら、しませんけど」

 無言で顔を伏せてしまう。しばらく待ったのは、どうしても、彼女の口から言わせたかったからだ。

「……て」
「えっ?」聞こえない振りをした。
「シュウくん、……して」
「指を入れてもいいですか?」

 梨美さんはコクンと頷いた。
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