天使の穴には牙がある【R18】

坂本 光陽

文字の大きさ
上 下
14 / 18
男が欲しい夜

忘れられない夜⑥

しおりを挟む
「ああっ」

 大学生の頃なら暴発してしまったかもしれない。それほどの圧倒的な快感だった。
 エリの手が絶妙な力加減で、スズキのシンボルをこすりあげる。まるで、感じるポイントを知り抜いているかのように、それを責め立てる。

「早く、来て」

 そう囁かれて、スズキの躊躇いは消えた。導かれるままに、濡れた穴に入っていく。

「「ああああっ」」

 二人は同時に、大きな悲鳴を上げた。全身に痺れるような快感が駆け巡ったからだ。

 ケダモノになったのは、エリが先だった。スズキの腰に手を回し、荒々しく引き寄せる。明らかに、力強いピストン運動を求めている。

 スズキは応じた。若々しい力で腰を使う。
 エリの豊かなバストをもみしだきながら、荒々しく腰を突き上げる。
 二人は暗闇の中で交わるケダモノだった。
 たちまち、エリは頂に上り詰め、ほぼ同時にスズキもフィニッシュした。

 二人は若い。性欲が尽きることはない。
 スズキはすぐに勢いを取り戻し、エリのやわらかな身体を組み敷いた。

「もう一回したい」
「いいわよ。来て」

 二人は再びケダモノに戻ると、激しく交わった。エリのセクシーな悲鳴を聞いているだけで、スズキのそれは逞しさを失わなかった。

 ただ、唯一の心残りは、エリのすべてを愛でることができなかったことだ。しばらくすれば暗さに目が慣れるかとスズキは思っていたが、最後までそれは叶わなかった。
しおりを挟む
拙作『天使の穴には牙がある【R18】』を読んでいただき、本当にありがとうございます。どうぞ、お気軽に御覧ください。「お気に入り」登録や御感想を聞かせていただければ幸いです。『裸のプリンス【R18】』と『ブラックアイドル【R18】』も合わせて、よろしくお願いいたします。ホラー・ミステリー大賞に参加しますので、合わせてお願いします。
感想 0

あなたにおすすめの小説

ホラー掲示板の体験談

神埼魔剤
ホラー
とあるサイトに投稿された体験談。 様々な人のホラーな体験談を読んでいきましょう!

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

赤い部屋

ねむたん
ホラー
築五十年以上。これまで何度も買い手がつきかけたが、すべて契約前に白紙になったという。 「……怪現象のせい、か」 契約破棄の理由には、決まって 「不審な現象」 という曖昧な言葉が並んでいた。 地元の人間に聞いても、皆一様に口をつぐむ。 「まぁ、実際に行って確かめてみりゃいいさ」 「そうだな……」

怪異語り 〜世にも奇妙で怖い話〜

ズマ@怪異語り
ホラー
五分で読める、1話完結のホラー短編・怪談集! 信じようと信じまいと、誰かがどこかで体験した怪異。

【短編】怖い話のけいじばん【体験談】

松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。 スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。

すべて実話

さつきのいろどり
ホラー
タイトル通り全て実話のホラー体験です。 友人から聞いたものや著者本人の実体験を書かせていただきます。 長編として登録していますが、短編をいつくか載せていこうと思っていますので、追加配信しましたら覗きに来て下さいね^^*

ママが呼んでいる

杏樹まじゅ
ホラー
鐘が鳴る。夜が来る。──ママが彼らを呼んでいる。 京都の大学に通う九条マコト(くじょうまこと)と恋人の新田ヒナ(あらたひな)は或る日、所属するオカルトサークルの仲間と、島根にあるという小さな寒村、真理弥村(まりやむら)に向かう。隠れキリシタンの末裔が暮らすというその村には百年前まで、教会に人身御供を捧げていたという伝承があるのだった。その時、教会の鐘が大きな音を立てて鳴り響く。そして二人は目撃する。彼らを待ち受ける、村の「夜」の姿を──。

終の匣

ホラー
 父の転勤で宮下家はある田舎へ引っ越すことになった。見知らぬ土地で不安に思う中、町民は皆家族を快く出迎えた。常に心配してくれ、時には家を訪ねてくれる。通常より安く手に入った一軒家、いつも笑顔で対応してくれる町民たち、父の正志は幸運なくじを引き当てたと思った。  しかし、家では奇妙なことが起こり始める。後々考えてみれば、それは引っ越し初日から始まっていた。  親切なのに、絶対家の中には入ってこない町民たち。その間で定期的に回されている謎の巾着袋。何が原因なのか、それは思いもよらない場所から見つかった。

処理中です...