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愛の代理人⑬
しおりを挟むしかし、美しい愛妻は女ざかり。成熟して敏感な身体をもてあましてしまう。そこで、コールボーイを雇って、〈ハメ撮り〉という手法を考えた。僕の身体と視点を借りて、自己同一化を図り、愛妻を抱くことを試みた。
あくまでイメージ上のセックスだけど、それはどうやら、一定の成果を上げたらしい。
では、次に宮国さんが求めるものは何か? 僕が彼に与えられるものは、何か?
僕は優しく、美紗緒さんの腕を外し、水蜜桃を露にする。
「まずは、御挨拶をさせてください」
彼女の腰を引き寄せて、美しい色のチェリーに、そっと口づける。美紗緒さんは悲鳴を上げて、身をくねらせる。
左のチェリーの後は、右のそれ。舌先で転がしたり、軽く吸い上げたり。
「あ、あなた……」
御主人の目の前で快感に打ち震える彼女を、僕はたまらなく愛しく思う。きめ細かな美しい肌の上を、僕の両手の指先が滑るように這い回る。
「ああ、もうダメ」
美紗緒さんはよろめき、絨毯の上に膝をついた。
僕は彼女の身体を支えつつ、さらにデリケートな愛撫を重ねる。セクシーなうなじにキスをして、遠慮なく美しい水蜜桃をもみしだく。
すると、宮国さんが腰を上げて、キッチンに向かった。
「あなた?」美紗緒さんが不安そうに呟く。
僕も手を止めて、宮国さんの動きに注目する。すぐに戻ってきた。両腕にペットボトルを抱えている。
「喉が渇いてしまってね」宮国さんはミネラルウォーターを含んだ後、「シュウくん、ここで美紗緒を抱くのなら、タオルをとってこようか?」
平静を装っているが、彼の声は震えていた。
「ええ、バスタオルもお願いします」
僕たちは膝立ちで抱き合いながら、彼が戻ってくるのを待った。
宮国さんはMなのだろうか? ふと、そんなことを思う。
他の男に愛妻を抱かれることは、普通なら屈辱的な仕打ちであるはずだが、彼はMゆえに同時に甘美な快感を覚えるとか。
でも、彼の表情や態度から、Mの気配はうかがえない。
僕はどちらかといえばSだが、Mの素養がゼロであるわけではない。誰だって、そうだと思う。
宮国さんがタオル一式を抱えて戻ってきた。
「ありがとうございます」
彼の手からバスタオルを受け取ると、僕は絨毯の上にそれを広げた。
「さぁ、美紗緒さん」差し伸べた手に、彼女の手が重なる。
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