裸のプリンスⅡ【R18】

坂本 光陽

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濡れるレッスン⑥

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「セックスはコミュニケーションですからね」言葉は慎重に選んだ。「お二人が話し合って、プレイのやり方を変えていけば、どんどんよくなっていくと思いますよ」

 あと、言うべきことは言っておかないといけない。

「ところで、見学者がいることは規則違反です。前もって言ってもらえれば、話は違ったかもしれませんが、とにかく、僕の仕事はここまでです」

「えーっ、これから本番って言ったじゃない」
「すいません、続きはまた今度、ということで」

「納得いかないな」オサムさんが口を開いた。「僕のやり方が彼と比べて、そんなに違うとは思えない」

「往生際が悪いよ。シュウくんはプロだもん。パワーもテクも、オサムくんとは段違いだったよ」

「それはそうだろう。でも、今回のチェックポイントは、パワーでもテクでもない。セックスのやり方だったはずだ」

「そんなの、詭弁だよ」

 やり方が違う、違わない。二人は声高に言い争う。もたもたしていると、僕まで巻き込まれてしまう。さっさと退散しよう。

 そう思ったのに、衣湖さんが腕にしがみついて、離してくれない。

「ね、シュウくん、私の方が正しいよね?」
「いや、絶対ちがうな。僕は納得できない」

 やれやれ、仕方ない。ここは僕が一肌脱ぐしかなさそうだ。

「お二人の言い分はよくわかりました。話し合いでは平行線のようですね。とりあえず、もう一度、試してみませんか? 及ばずながら、僕がサポートしますので」

 二人に納得してもらうには、二人がセックスで満たされればいい。ただ、それだけの話だろう。

「でも、もし、うまくいかなかったら、どうするの? シュウくんが責任をとって、私を抱いてくれるっていうこと?」

「そうですね、その場合は僕がアフターケアをしましょう」
「ラッキー、私のもやもやを解消してね」

 衣湖さんは顔を輝かせた。

「気に入らないね。僕とうまくいかないのが決定事項のようだ」
「オサムくん、自信がないの? 尻尾を巻いて、この場から逃げますか?」

 衣湖さんが笑顔で挑発する。

「逃げないよ。逃げるわけがない。僕は悪くないんだから」

 話はついた。僕は一応、事務所に連絡を入れて、事情を説明した。

 ここまでのプレイには対価をもらうけど、ここからの行為にギャラは発生しない、もしトラブルが発生した場合は僕の自己責任。その条件で、ココナさんから許可を得た。

 つまり、これは、あくまで僕のプライベート。二人は僕の前で全裸になった。オサムさんは肌が青白く、ガリガリに痩せていた。でも、セックスは体格でするものではない。

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