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甘く危険な果実⑥

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 弥生さんの身体は、複雑で新鮮な反応を見せていた。痛みから逃れたい、でも、快感は受け入れたい。二律背反の想いが、彼女の中で葛藤しているらしい。

 僕は迷わなかった。申し訳ないが、バナナを抜きとる考えは、僕にはない。ここまで受け入れてもらえたのだ。弥生さんには、ぜひ、セックスの素晴らしさを感じてもらいたい。

 時間をかければ、何とかなりそうな気がする。

「弥生さん、フーッと息を吐いてもらえますか? 身体から力を抜いてほしいんです」

 素直に言うとおりにしてくれた。力が抜けた瞬間を見計らって、僕は彼女の両脚を開いた。

「ああっ、いやっ」

 弥生さんは両手で顔を覆ってしまう。でも、彼女の両脚は大胆に開いたままだ。通路の圧迫が少しゆるんでいる。

 僕は腰を一旦引き戻して、ゆるやかに動かしてみる。弥生さんが身を捩った。

「痛いですか?」
「はい、でも……」
「気持ちよさもある?」

 可愛らしくコクンと頷いた。僕は小休止を挟みながら、控えめな腰の動きを繰り返した。

 弥生さんの身体は次第に変化を見せていく。ザクロの奥から、とめどなく蜜があふれさせ、快感を訴えてくれたし、バナナを積極的に受け入れる動きも見せてくれた。

 少しでも弥生さんに快感を味わってもらえるように、僕は全力を尽くした。

 腰の動きより、手や指先の愛撫に集中する。太く大きな流れではなく、薄く全体的に包み込むようなイメージ。淡くはあるけれど、豊かな愛情を心がける。

 惜しみなく、全身全霊で愛情を注ぎ込む。

 弥生さんにとっては、久し振りのセックスだ。エクスタシーを味わってもらうのは、先々の課題にすべきだろう。

 男性とセックスに対する恐怖感に関しては、はっきりと改善が見られたのだ。あまり無理をさせない方がいい。

 弥生さんが満足げに息を吐いた時を見計らって、僕は彼女の身体を抱きしめた。唇を交わしながら、ゆっくりとバナナを引き抜いた。

 ただ、身体は密着させたままだ。髪の毛や腕のあたりを、掌で愛撫をしてさしあげる。

「弥生さん、とても素敵なセックスでしたよ」

 これは、僕の本心だ。快感が大きくなくても、充実感,達成感を覚えるセックスもある。

「ありがとう、シュウくん。私、とてもよかった。でも……」
 弥生さんは上目遣いで訊いてくる。
「シュウくんは、まだ、なんでしょ?」

 それが射精を指すことは言うまでもない。

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