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悩ましいボイス⑥
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僕は彼女の承諾を得ずに、スプリングコートのボタンを一つ一つ外していく。可愛らしい唇の間から甘い吐息がもれる。
いきなり、コートを左右に開き、ルナさんの素肌を露にした。彼女が腕で胸を隠したので、厳しい口調で命じる。
「背筋を伸ばして、よく見せてください。カラオケボックスでは自分から見せてくれたのに、今は恥ずかしいんですか?」
ルナさんは眉間に皺を寄せて、ゆっくりと腕を外した。改めて見ても、とても美しい水蜜桃だった。
「とてもきれいですよ。僕一人で鑑賞するなんてもったいない」
僕はスプリングコートに手をかけて、さりげなく彼女の腕から抜いた。
「ああっ」
ルナさんは反射的に上体を折り曲げて、肌を隠そうとするけれど、身体を覆っているのはブラとショーツだけだ。
それも、申し訳程度のわずかな面積しかない。ルナさんは顔を真っ赤にして、しゃがみこんでしまう。
僕はコートを腕にかけて、後ずさっていく。ルナさんは僕に向かって、右手を伸ばしてきた。
「コートを返して」
僕は笑顔でスルーして、その代わりに、リモコンのスイッチを入れる。
ルナさんは短い悲鳴を上げた。表情を歪めながら、股間を押さえてうずくまってしまう。
「シュウくん、コートを返して」僕は人差し指を口にあてる。「ルナさん、静かにしないと、誰かに気づかれますよ」
そう言って、周囲のオフィスビルをグルリと指し示す。ルナさんはようやく気づいたようだ。
さっき、「人目がない」といったのは嘘だ。22時を回っても、オフィスビルの窓には煌々と明かりが点いている。残業中のサラリーマンがまだ働いているのだ。
「窓から見下ろせば、ルナさんの姿は丸見えですね」
その情景を想像したのだろう。ルナさんの表情が、ぐにゃりと歪む。
僕は明るい口調で止めを刺す。
「“お仕事、お疲れ様”の意味を込めて、たっぷりと、彼らに見てもらいましょうよ」
ルナさんは激しく、首を横に振る。
「本当に?正直になってくださいよ。見て欲しいんでしょ?」そう言って、リモコンのスイッチを入れる。
ルナさんは口と股間を押さえながら、コンクリートの上にうずくまってしまった。身体をガクガクと震わせて、慌しく呼吸を繰り返している。
エクスタシーに達してしまったのだろう。薄い暗がりの中に、ぼんやりとルナさんの裸身が浮かんでいる。
それはまるで、夢の中のように美しい情景だった。
いきなり、コートを左右に開き、ルナさんの素肌を露にした。彼女が腕で胸を隠したので、厳しい口調で命じる。
「背筋を伸ばして、よく見せてください。カラオケボックスでは自分から見せてくれたのに、今は恥ずかしいんですか?」
ルナさんは眉間に皺を寄せて、ゆっくりと腕を外した。改めて見ても、とても美しい水蜜桃だった。
「とてもきれいですよ。僕一人で鑑賞するなんてもったいない」
僕はスプリングコートに手をかけて、さりげなく彼女の腕から抜いた。
「ああっ」
ルナさんは反射的に上体を折り曲げて、肌を隠そうとするけれど、身体を覆っているのはブラとショーツだけだ。
それも、申し訳程度のわずかな面積しかない。ルナさんは顔を真っ赤にして、しゃがみこんでしまう。
僕はコートを腕にかけて、後ずさっていく。ルナさんは僕に向かって、右手を伸ばしてきた。
「コートを返して」
僕は笑顔でスルーして、その代わりに、リモコンのスイッチを入れる。
ルナさんは短い悲鳴を上げた。表情を歪めながら、股間を押さえてうずくまってしまう。
「シュウくん、コートを返して」僕は人差し指を口にあてる。「ルナさん、静かにしないと、誰かに気づかれますよ」
そう言って、周囲のオフィスビルをグルリと指し示す。ルナさんはようやく気づいたようだ。
さっき、「人目がない」といったのは嘘だ。22時を回っても、オフィスビルの窓には煌々と明かりが点いている。残業中のサラリーマンがまだ働いているのだ。
「窓から見下ろせば、ルナさんの姿は丸見えですね」
その情景を想像したのだろう。ルナさんの表情が、ぐにゃりと歪む。
僕は明るい口調で止めを刺す。
「“お仕事、お疲れ様”の意味を込めて、たっぷりと、彼らに見てもらいましょうよ」
ルナさんは激しく、首を横に振る。
「本当に?正直になってくださいよ。見て欲しいんでしょ?」そう言って、リモコンのスイッチを入れる。
ルナさんは口と股間を押さえながら、コンクリートの上にうずくまってしまった。身体をガクガクと震わせて、慌しく呼吸を繰り返している。
エクスタシーに達してしまったのだろう。薄い暗がりの中に、ぼんやりとルナさんの裸身が浮かんでいる。
それはまるで、夢の中のように美しい情景だった。
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