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最もセクシーな仕事④

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 マヤさんの鍛え抜かれた身体は、アスリート並みのスタミナを備えている。一度や二度のエクスタシーでは満足しない。

 以前、回数を数えたことがある。1時間ぶっ続けでセックスをして、マヤさんは30回以上の絶頂を味わっていた。(数の多さがすべてではないので、セックスの途中で数えるのは止めた)

 エクスタシーへの道筋が身体に刻まれているので、すぐに達してしまうらしい。身体を壊さないか、こちらが心配になるほど、マヤさんは貪欲に激しいセックスを求めてくる。

 僕はコールボーイなので、彼女が求めてくる限り、何度でも何十回でも応じるつもりだ。

 したがって、序盤戦を終えてしまうと、体力勝負の様相になる。マヤさんが満足するか、意識を失うまで、僕の腰は止まらない。

 一本調子ではプロのプライドが許さない。御要望に沿って、体位にバリエーションをつけていく。正常位に始まって、座位、女性上位と体位を変えていく。

 座位に戻って、彼女の膝裏を僕の両肘をかみ合わせて、彼女の身体をひょいと持ち上げる。いわゆる、駅弁スタイルだ。マヤさんのザクロを深々と貫いたまま、ドアの前に歩み寄る。

「シュウくん、何をする気?」
 心細そうな声を無視して、僕はロックを外してドアを細めに開ける。

 週末の夜だ。ラブホテルの利用客は多いし、最も混む時間帯でもある。おあつらえむきに、若いカップルの姿が薄暗い廊下の奥に見えた。こちらに向かって歩いてくる。

「廊下に人がいます。マヤさんの声を聞いてもらいましょう」駅弁スタイルのまま、彼女の腰を持ち上げる。
「……い、嫌っ」僕は構わず、彼女の腰を落とす。

 バナナがザクロを深々と貫いた。彼女の体重のほとんどが、僕たちのつながった部分にかかったのだ。マヤさんは甲高い悲鳴を放つ。廊下を歩くカップルの耳にも届いているだろう。

 僕は再度、深々と貫く。彼女がエクスタシーに達するまで、繰り返し串刺しにする。

「マヤさんのセクシーボイス、廊下の二人にまる聞こえですよ。呆れているかもしれませんね」冷ややかに告げると、マヤさんはしがみついてきた。

 僕の胸に顔をうずめているが、真っ赤になっているにちがいない。

「どうしました? 恥ずかしいんですか?」

 顔を上げないので、僕は身体を外して、マヤさんを床に下ろした。すかさず、彼女の身体をくるりと回し、ドアに両手をつかせる。

 ぬれそぼったザクロに対し、後ろからえぐりこむように、バナナをインサートさせた。いわゆる、立ちバックの体位だ。僕が腰を荒々しく使い始めると、ケダモノの雄叫びで応えてくれた。
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