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第15話
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「なぜ過去だけを殺そうとしない。」 アンは質問する。
「それだけ俺は憎いんだ。 あんたらには分からないだろう。」
「そう」と言って、冷たい眼差しでみる。
「ジョン博士と出ていて。 こいつと話がしたい。」
「何をする気だ。 嫌なことを考えていないだろうな。」
「そうよ。」 低い声で答えた。
「なら、やめるべきだ。 君の手を汚す必要はない。 捕らえて償うべきだ。」
「分からないの。 こいつは脱走して、ジョン博士を殺すわ。 今のうちに殺さないと。」
「やめろ。 それをこっちに渡すんだ。」
アンは銃らしきものを持ち、縛られている俺に向けた。
縛られている俺は落ち着いている。
殺されてもおかしくない状況を悟っているようだ。
ほんの一瞬だった。
胸から血が流れた。 忘れることのできない記憶のうちだ。
目の前で人が死んだ。
俺たちは無言で去っていた。
後になってわかったことだが、工作員が片付けをしたようだ。
2100年でニュースになるようなことはなかったそうだ。
2097年に戻ったが、ジョン博士は戻す方法が見つからないためそのままになった。
俺は眠ろうとしたが、眠れなかった。
あの光景が頭から離れなかったのだ。
一睡もできずにシャワーで目を覚ます。
アンに会ったが、無言だった。
ロッキー博士は会うなり、訊いてきた。
「別の人と組むか?」
俺は首をふった。 アンは沈黙したままだ。
「それで、ジョン博士は何か分かったのか?」
別の話題をふる。 今は気まずい。
「昨日の出来事で分かったことがある。 人はエネルギー波になるようだ。」
「まさか1人でなるんじゃないだろうな。」
「半分は正解だ。 半分は不正解だ。」
「どういうことだ。」
「機械によっては街をひとつ破壊をすることができるものがあるらしい。 にわかに信じがたいものだが…」
「それだけ俺は憎いんだ。 あんたらには分からないだろう。」
「そう」と言って、冷たい眼差しでみる。
「ジョン博士と出ていて。 こいつと話がしたい。」
「何をする気だ。 嫌なことを考えていないだろうな。」
「そうよ。」 低い声で答えた。
「なら、やめるべきだ。 君の手を汚す必要はない。 捕らえて償うべきだ。」
「分からないの。 こいつは脱走して、ジョン博士を殺すわ。 今のうちに殺さないと。」
「やめろ。 それをこっちに渡すんだ。」
アンは銃らしきものを持ち、縛られている俺に向けた。
縛られている俺は落ち着いている。
殺されてもおかしくない状況を悟っているようだ。
ほんの一瞬だった。
胸から血が流れた。 忘れることのできない記憶のうちだ。
目の前で人が死んだ。
俺たちは無言で去っていた。
後になってわかったことだが、工作員が片付けをしたようだ。
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俺は眠ろうとしたが、眠れなかった。
あの光景が頭から離れなかったのだ。
一睡もできずにシャワーで目を覚ます。
アンに会ったが、無言だった。
ロッキー博士は会うなり、訊いてきた。
「別の人と組むか?」
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「それで、ジョン博士は何か分かったのか?」
別の話題をふる。 今は気まずい。
「昨日の出来事で分かったことがある。 人はエネルギー波になるようだ。」
「まさか1人でなるんじゃないだろうな。」
「半分は正解だ。 半分は不正解だ。」
「どういうことだ。」
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