6 / 11
目覚めた男
6
しおりを挟む
ホテルで朝食を済ませて、僕は北にあるという長谷川博士の子孫が住む邸宅に徒歩で向かう。
タクシーに乗ってロボットの接客を見たかったが、歩いてとにかく情報が欲しかった。
僕はこの時代ではほんの少ししか知らないのだ。
途中に驚くことがあった。
水が服にかかる人がいたけど、服は水をはじいていた。
服に撥水効果がある。
試しに自分の服にかけてみたが同じだ。
服も進歩しているようだ。
一体、何が進歩していなくて何が進歩しているのか楽しみながら歩く。
新たな発見はないかと進んでいれば、邸宅に着く。
インターフォンを鳴らす。
閉まっていた門が開く。
入っていいと解釈して真っ直ぐ進む。
庭にはキレイにそろえれた草が生えている。
門から200㎡進むと玄関には長谷川博士の子孫らしき人物がいた。
物腰が柔らかくて笑顔に優しさを感じられる青年だ。
歳は自分と変わらないくらいにみえる。
青年は家に招き入れた。
僕が嬉しかったのは恐怖のいろを浮かべなかったことだ。
この青年は僕が来ることを知っていたのだろうか。
「お目覚めになったようですね。 気分はいかがですか?」
「ええ、正直言って記憶がないことに困っています。 長谷川博士のことを知ることと僕の記憶が戻る方法を知るために来ました」
「残念ながら記憶が戻る方法は知りません。 祖父のことは教えることはできます」
祖父? 青年の父親はどこにいるのだ。
父親のことを訊いて気まずい雰囲気になることが、あるかもしれないと思い、質問は避けた。
「では、祖父のことを教えてもらえますか」
「祖父についての記録が残っている部屋がありますのでそちらで喋りましょう」
リビングから歩き、地下1階の部屋へ行く。
部屋へ入るのにセキュリティがしかれている。
扉の横に指紋認識と声認識、網膜認識の3つがある。
この部屋だけは守りたい何かがある。
そう思わせる。
青年の認識が終えたようで、ピーと緑色のランプが光る。
「あなたのことは祖父から聞かされていました。 ここに訪れることになるだろう、その時は教えるんだと」
だから驚かなかったのかと合点がいく。
青年は本棚を見渡して続ける。
「あなたは祖父の第1実験のものです。 危険をかえりみずやったのです。 当時は怪しい人物と祖父はみられていました。 ですが、あなたがやったことにより5年は世間からあなたは見守られたのです。 5年が経ち、異常はみられないことが理解され治療という点ではなく、未来をみるという点で注目されました」
青年は一冊のファイルを取りだし、机に置いて開いた。
当時の記事と僕が眠っている写真がある。
また、僕が異常はないことを示すデータらしきものがある。
僕にはさっぱり分からないが、異常はなかったことだけは理解できる。
「未来をみる?」
「そうです。 注目をした人はタイムマシン感覚の考えだったのでしょう。 ご存じのとおり、記憶障害を抱えることを祖父はしぶしぶ訴えました。 祖父にとって患者を不安にさせる材料だったからあまり口にしたくなかった」
「後に治療に注目されたのでしょう」
「はい、されました。祖父は最初から治療困難の患者を助けるために言っていましたからね。 タイムマシン感覚の考えの人は勝手な考えを抱いていたのでしょう。治療という点に注目が変わりました 」
さっきからこの青年は祖父を良く言っている。
反対意見のものたちには毒が吐かれている。
僕は言い過ぎではないかと言えなかった。
教えてもらっていて、招かれているうえに初対面だからだ。
僕はこらえた。
タクシーに乗ってロボットの接客を見たかったが、歩いてとにかく情報が欲しかった。
僕はこの時代ではほんの少ししか知らないのだ。
途中に驚くことがあった。
水が服にかかる人がいたけど、服は水をはじいていた。
服に撥水効果がある。
試しに自分の服にかけてみたが同じだ。
服も進歩しているようだ。
一体、何が進歩していなくて何が進歩しているのか楽しみながら歩く。
新たな発見はないかと進んでいれば、邸宅に着く。
インターフォンを鳴らす。
閉まっていた門が開く。
入っていいと解釈して真っ直ぐ進む。
庭にはキレイにそろえれた草が生えている。
門から200㎡進むと玄関には長谷川博士の子孫らしき人物がいた。
物腰が柔らかくて笑顔に優しさを感じられる青年だ。
歳は自分と変わらないくらいにみえる。
青年は家に招き入れた。
僕が嬉しかったのは恐怖のいろを浮かべなかったことだ。
この青年は僕が来ることを知っていたのだろうか。
「お目覚めになったようですね。 気分はいかがですか?」
「ええ、正直言って記憶がないことに困っています。 長谷川博士のことを知ることと僕の記憶が戻る方法を知るために来ました」
「残念ながら記憶が戻る方法は知りません。 祖父のことは教えることはできます」
祖父? 青年の父親はどこにいるのだ。
父親のことを訊いて気まずい雰囲気になることが、あるかもしれないと思い、質問は避けた。
「では、祖父のことを教えてもらえますか」
「祖父についての記録が残っている部屋がありますのでそちらで喋りましょう」
リビングから歩き、地下1階の部屋へ行く。
部屋へ入るのにセキュリティがしかれている。
扉の横に指紋認識と声認識、網膜認識の3つがある。
この部屋だけは守りたい何かがある。
そう思わせる。
青年の認識が終えたようで、ピーと緑色のランプが光る。
「あなたのことは祖父から聞かされていました。 ここに訪れることになるだろう、その時は教えるんだと」
だから驚かなかったのかと合点がいく。
青年は本棚を見渡して続ける。
「あなたは祖父の第1実験のものです。 危険をかえりみずやったのです。 当時は怪しい人物と祖父はみられていました。 ですが、あなたがやったことにより5年は世間からあなたは見守られたのです。 5年が経ち、異常はみられないことが理解され治療という点ではなく、未来をみるという点で注目されました」
青年は一冊のファイルを取りだし、机に置いて開いた。
当時の記事と僕が眠っている写真がある。
また、僕が異常はないことを示すデータらしきものがある。
僕にはさっぱり分からないが、異常はなかったことだけは理解できる。
「未来をみる?」
「そうです。 注目をした人はタイムマシン感覚の考えだったのでしょう。 ご存じのとおり、記憶障害を抱えることを祖父はしぶしぶ訴えました。 祖父にとって患者を不安にさせる材料だったからあまり口にしたくなかった」
「後に治療に注目されたのでしょう」
「はい、されました。祖父は最初から治療困難の患者を助けるために言っていましたからね。 タイムマシン感覚の考えの人は勝手な考えを抱いていたのでしょう。治療という点に注目が変わりました 」
さっきからこの青年は祖父を良く言っている。
反対意見のものたちには毒が吐かれている。
僕は言い過ぎではないかと言えなかった。
教えてもらっていて、招かれているうえに初対面だからだ。
僕はこらえた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した
若き日の滝川一益と滝川義太夫、
尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として
天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が
からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる