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小さな光が出る。
「うむ、適正ありだ。 火はどうだ。 さっきやったのを真似してみろ。」
ジョンは体の血管が熱くなるようなイメージをした。 指先に熱を感じる。
右手を開いてみせる。
ほんの数cmの火が出るだけだった。
「これもできるとは… 風と土は教えられない。 というかできないのは教えられない。」
ジョンは要領をつかんでいた。
イメージが術を発動させる。
ジョンは目を閉じる。 耳に神経を集中させる。
風の音を感じろ。 風は今、どこから吹いている。
肌で感じる。 弱いようだ。
手のひらに集める。
そして、風を押す。
風は木にいく前に消えた。
「弱いな。」 ハロルドは言う。
ジョン自身も分かっていることだ。
怒る前に土属性を発動させることを考える。
しゃがみ、地面に手をおく。
土の感覚を確かめる。 雑草が生えている。
いや、木を生えるようなイメージのほうがしやすい。
苗をうえ、そこから生命がうまれる。
地面から成長して、小さな葉っぱをだす。
「弱いが、五属性使えるとは驚きだ。 まれな存在だ。 貴様、名前は?」
「ジョンです。」
「両親は?」
「知らないんです。 物心ついたときにはいなかった。 だから、術の発動させ方なんか知らなかった。 今、初めて発動させたんです。」
「飲み込みもはやい。 普通なら、手間取るものだが1日できるとは天才だ。 飲み込むのに2日、3日かかるか遅くて1年かかるやつもいる。」
ハロルドは「ハッハッ」と豪快に笑う。
「貴様、最初は生意気に感じていたが今はますます教えたくなったものだ。 どうだ?」
ジョンはうなずく。 空を眺めていたい、ボーとしていたいという気にはならなくなっていた。
今はとにかく自分の可能性をひろげたい。
そんな欲にかられていた。
人生で経験したことのない感情だった。
「うむ、適正ありだ。 火はどうだ。 さっきやったのを真似してみろ。」
ジョンは体の血管が熱くなるようなイメージをした。 指先に熱を感じる。
右手を開いてみせる。
ほんの数cmの火が出るだけだった。
「これもできるとは… 風と土は教えられない。 というかできないのは教えられない。」
ジョンは要領をつかんでいた。
イメージが術を発動させる。
ジョンは目を閉じる。 耳に神経を集中させる。
風の音を感じろ。 風は今、どこから吹いている。
肌で感じる。 弱いようだ。
手のひらに集める。
そして、風を押す。
風は木にいく前に消えた。
「弱いな。」 ハロルドは言う。
ジョン自身も分かっていることだ。
怒る前に土属性を発動させることを考える。
しゃがみ、地面に手をおく。
土の感覚を確かめる。 雑草が生えている。
いや、木を生えるようなイメージのほうがしやすい。
苗をうえ、そこから生命がうまれる。
地面から成長して、小さな葉っぱをだす。
「弱いが、五属性使えるとは驚きだ。 まれな存在だ。 貴様、名前は?」
「ジョンです。」
「両親は?」
「知らないんです。 物心ついたときにはいなかった。 だから、術の発動させ方なんか知らなかった。 今、初めて発動させたんです。」
「飲み込みもはやい。 普通なら、手間取るものだが1日できるとは天才だ。 飲み込むのに2日、3日かかるか遅くて1年かかるやつもいる。」
ハロルドは「ハッハッ」と豪快に笑う。
「貴様、最初は生意気に感じていたが今はますます教えたくなったものだ。 どうだ?」
ジョンはうなずく。 空を眺めていたい、ボーとしていたいという気にはならなくなっていた。
今はとにかく自分の可能性をひろげたい。
そんな欲にかられていた。
人生で経験したことのない感情だった。
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