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52 アデライン視点⑩

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 結局、エディと話し合い、白い結婚をすることになった。


 でも、これでよく判ったわ。


 彼は律儀な上に真面目過ぎるのだ。

 だからステファンとの馬鹿みたいな約束もちゃんと守ることが出来るのだろう。


 同じ屋根の下に年頃の男女が一緒に住んでいて、同じ寝室を使うことが出来る環境下にいるのに手も出して来ない。
 偶に、艶っぽい視線を感じる事があるけどそれは多分お互いさまだ。


 正直彼は魅力的だ。


 ひとそれぞれ好みはあるだろうけれど、ガッチリとした逞しい身体のラインも長い脚も角張った顎のラインも・・・ 男性特有の色気がある。
 学園で人気があったのもよく分かるわ。



 それより困った事がある。

 正直ステファンよりエディのほうが伴侶として理想的だと気が付いてしまったのだ。


 今更だけど・・・


 ステファンは手紙を偶に送って来るのだけど、子供っぽい所有欲が見え隠れする彼より禁欲的に過ごしてるエディのほうがずっと大人。

 初夜のあの時、3年ステファンを待つなんて了承しなくても良かったかもしれない。

 でもあの時は腹も立っていたから白い結婚に同意したのよ。


 でもエディとは友人として最高に相性がいいの。
 お互いに阿吽の呼吸で物事が全部進むパートナーなんてそんな人、滅多にいないのよ?


 生きていく上で相手を信頼できるって事は何より大事だって、実家で継母と過ごした2年間で嫌というほど分かったもの。


 このままでいいのかしら。





 
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