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50 アデライン視点⑧
しおりを挟む海外にエディが行ってしまって2年。
なんと、1度も帰って来ることがなかった。
行く先々から絵葉書が送られてきて、毎月2回は何かしらお土産を送ってくれた。
見たことのないような布で出来たストールやスカーフ、アクセサリー、小さな可愛い小物が私に。
使い方の全く分からない工具は弟達宛になってたけど、全部纏めて私宛で荷物が届いた。
何だか忘れてないよって言われてるようで、届く度に心が温かくなった。
私はステファンが好きな筈なのに、エディに会えないのがちょっぴり寂しかった。
言えないけど。
だっていないもの。
彼は一定期間一箇所に留まっていてもまた移動するという繰り返しをしているみたいで、こちらからは手紙は中々出せなくて月に1度送れたら多い位だった。
彼の移動はお義父様の指示だったみたいで、お義母様が怒ってた。
「仕事ばっかりさせてないで、結婚式の準備させたいから帰国させて下さいッ!」
とうとうお義母様が叫んだのが、彼が海外に派遣されてあと1ヶ月で2年になる頃。
行く先々で彼が成果を上げるものだからお義父様が調子に乗って指示をしていたらしい。
知らなかった・・・
絵葉書には泣き言は全く書かれてなかったし、封書は荷物と一緒に入っていたけど近況報告位だったから。
前から思ってたけど、エディは仕事のし過ぎなのじゃないかしら? 中毒みたいだわ。
あ。お義父様もだわ・・・
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