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♡ さっきの手紙のご用事なあに?
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しおりを挟む「その人は、君が【聖女】で僕の婚約者、ひいては王子妃になるのが良いんだと言い張ってるんだよね」
引き続き眉を顰めたまま、言葉を続ける王子。
「ロゼッタ嬢はどう思う?」
「私は【聖女】ではないですし、我が家の家格は男爵位です。間違っても王家に嫁げるような身分では御座いません。恐れながらその方の考えには賛同できかねます」
「だよねえ」
「はい」
2人の意見が一致し何故かウンウンと縦に首を振りながら同じポーズで首を傾げる。
「そもそもロゼッタ嬢は、魔法の属性が闇だと報告がされているんだが間違いないよね?」
「はあ、1番(今のところ)強力なのが闇魔法だそうです」
「だよねえ。じゃないと姿を変えられないもんねえ」
王子のこの言葉にシルフィーの動きがピタッと止まった。
「いや、咎めてるんじゃないからね、王宮図書館で確認されている君の姿と学院内では少しばかり容姿が違う事は報告が来てるからね。認識阻害の魔封を駆使して学院内では目立たないようにしてるんでしょう? 君随分元が美人だから地味になっちゃってるよね」
「え?」
その言葉でシルフィーの姿を上から下まで確認するディアドラ。
「騎士団の中に好きな男性でもいるのかな? だから此方では目立たないように気をつけてるんでしょ?」
この王子様流石に王族だけのことはあるらしく、ちゃっかり間諜に調べさせていたようだ。
ぐぬぬとなったのはシルフィーである。
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