33 / 160
♡ ベイジル・S・フォーゼスト侯爵
32
しおりを挟む王族の警護から魔獣の討伐まで熟す騎士達は、いつも腹が減っていると言っても過言ではない。それは魔力も体力も人並み以上に使うからだ。
そんな奴らに嫌な顔ひとつせず毎回全員に行き渡る量の軽食を差し入れしてくれる。
しかも見たこともないような不思議なモノからよく食べる見慣れたものまで、あらゆる軽食を自ら作るのだという。
しかも美味。
騎士団の連中は彼女の差し入れの虜になった。
勿論私もだが・・・
ある日気になってそんなに沢山の量だと毎回大変じゃないか? と聞いたことがある。
それを聞いた彼女は、
『自分たちをいつも守ってくれる感謝の気持ちですから。私自身助けて頂いたご恩もありますし』
そう言って花が咲くような笑顔を見せてくれた。
騎士団員達はそんな彼女にほぼ全員好意を持っていると言っても過言ではなく、とうとう彼女は騎士団全体のアイドルになってしまった。
ただ全員がファンなので誰も抜けがけができないという括りがあるらしく、牽制し合うことも度々あり、中々に大変らしい。
私は特別枠扱いだそうだ。
『主はいいんですよ~、気にせずシルフィーちゃんと仲良くして下さいね~』
と、よくカシスに言われるのだが特別枠とは何だ? と聞くと、
『主、鈍いにも程があります』
と何時もの呆れ顔で言われてしまうのだが・・・
余談だが、彼女の作る軽食を食べると疲れが取れるとでも言うのか、やたらと元気になる気がする。
私だけなのかと思っていたが、どうやら他の団員もそんな気がすると言っている。
彼女は何か特別な魔力の持ち主なのかもしれない。
本人に今度確認してみようかともと思うが・・・
・・・愛だろうか? そうだといいな。いや、私だけじゃないからそうじゃない方がいいのかな? ん?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
206
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる