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♡ シルフィー・ロゼッタ男爵嬢
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しおりを挟むその時、私の後ろから白金色の矢が飛んできて黒い魔獣の額を貫き、真っ黒い血が飛び散った。
視界に広がる漆黒の液体が私を襲う。
魔獣の血は触れると火傷のように人の皮膚を焼くのだ・・・
身体を捻って避けようとするが、間に合わず膝から下に飛沫が散ったようで、突然燃えるように熱くなる。
「「「キャー!!」」」
周りで黄色い叫び声が響き、痛みで気が遠くなっていく・・・
どんどん視界が狭くなっていき、最後に見えたのは、大きな手だった。
多分男の人の手だな・・・
と、ボンヤリ考えたような気がする。
×××
目を開けると、見たことのない白い天井が見えた。
『あら? 病院?』
と思うくらい白い天井。目だけを動かし辺りを伺うと、シスターのような格好をした、グレーのワンピースがこちらに背を向けて動いていた。
「あのう」
私の声を聞いて振り返った女性は、やはりシスターだった。
「気がついたのね」
彼女は、私の直ぐ側までやってきて、そっと頭を撫でた。
どうやら私は、気を失ってしまい教会に運ばれたらしい。
因みに気を失ったのは、足の痛みでなのか、頭の痛みだったのかは未だによく思い出せない。
前世がダウンロードされて頭が痛かったのも事実だったので。
いや、その時は足も痛かったのよ・・・多分。
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