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♡ Prologue
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しおりを挟む「どういうことだ?」
緩い金髪巻毛をゆらしながら、窓際で庭を見ていた美貌の王子が振り返る。
「分かりませんが、この婚姻は閣下自らの申し立てから成ったものということで、国王陛下直々の勅命だそうです」
第1王子の問いかけに、眉根を寄せながら答える眼鏡の青年はこの国の宰相の嫡男で、次期宰相候補と噂されている、王子付の取り巻きの1人である。
「では、我々の杞憂だったということでしょうか?」
神官服を着た清潔感のある青年が肩をすくめるのを横目に、体格のいい騎士服を着た青年が唸るように呟く。
「分からん」
王城内にある王子の執務室で首を捻る青年達。
「わかっているのは、将軍閣下とご令嬢が婚姻すると同時に学院を中退するということが正式に決まったということだけですかね」
そう言いながら、眼鏡を外し実父とよく似た眉間のシワを揉む宰相の嫡男である。
「兎に角、暫く様子を見よう」
金髪の美貌の王子が全員に向かってそう言った。
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