初恋の君に嫁ぐ為には、王族を蹴散らし、魔獣と戦い?獣王様を屈服させる!?必要があるんだそうです・・・

hazuki.mikado

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1章

9③

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 周りの生徒達がパラパラと拍手をする中、さっきまで戦っていた俺と同じクラスの2人はいくつもある控室の一つに向かって去って行った。


 ――あれ? 俺の相手は・・・ あぁ休憩か。そりゃそうだよなぁ連チャンで俺の相手は辛いからなぁ。


 ウンウンと頷いていると、



「次の対戦ロザリー・ミュラー及びマーカス・フォルティ。対戦者2人は中央にッ!」


 急に審判役の教師が俺の名前と聞いたことのない女みたいな名前を読み上げ、マウンドに上がるように指示をする。


 ――え? どういう事だよ? ロザリー? って聞こえたぞ? そりゃ女の名前じゃないのか?


 教師に呼ばれたからには行かないと。


 ロザリーって言うのは俺の聞き違いかもしれん――


 首をひねりながらマウンドの中央に向かうと、反対側からスラリとした長身に片手に木剣をだらりと下げた学園指定の体術服姿のヤツが現れた・・・途端に、


「「「「「「「きゃああぁあああ~~~っ!」」」」」」」


 観客席から女子生徒の黄色い悲鳴が上がって驚き、思わずキョロキョロと周りを見回してしまった。

 それまで全く気にして無かったのだが、いつの間にか休み時間になっていたらしく騎士科じゃない学生達が競技場の観客席に入り込んでいたのだ。


 しかもほとんどが女子生徒。


 リボンタイの色や制服が違う事から学年もバラバラ、様々な科の奴らが席を陣取っているように見える。


「な、なんだコレ」

「「「「「「「きゃああぁッ!」」」」」」」


 またもや黄色い悲鳴が上がる。

 女子生徒の悲鳴を上げさせる犯人は観戦席に向かい手を振っている目の前の金髪の・・・女?!


「は、はぁ? お、お前女か」

「ん? そうだよ。アンタが対戦相手か? 騎士団長の息子って聞いたけどホント? 強いんだって?」


 のほほんと声をかけてくるソイツは文句なしの美形だった。

 長い金髪は馬の尻尾のように頭頂で一つに括られており、湖の様な深い青い瞳は切れ長で油断なく俺の全身を観察しているみたいに見えた。









ーーーーーーーー




ポニーテールという言葉を知らないマーカス←⁠_⁠←


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