初恋の君に嫁ぐ為には、王族を蹴散らし、魔獣と戦い?獣王様を屈服させる!?必要があるんだそうです・・・

hazuki.mikado

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2章

26②

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 「ルーちゃん、私だって高位貴族ではなくとも中央貴族の娘だったのよ? でもミュラーの家に迎え入れて貰えたの。ソレはこの人が私を娶りたい想ってくれたからこそ叶ったのよ?」


 そう言いながら彼女は夫の逞しい肩にコテンと自分の頭を預けた。
 その旋毛にすかさず口付けるのは勿論、夫のダンカンだ。

 確かにミュラー夫人は王都出身の子爵令嬢だったと以前本人から直接聞いたことがあったのを、辺境伯はふと思い出した。



××××



 そもそも王都を中心に集まり代々その地位を受け継ぐ中央貴族達は辺境貴族達と違い魔力は殆ど有さないと云われている。

 しかし夫人エリーナは魔法を使えるという証明たる魔術紋の使用を許されている、正真正銘の魔術師だ。


 「そういえば今まで気にしてなかったが、奥方は嫁ぐ以前から魔術師だったのか?」


 魔力が無いと云われる中央貴族でも稀に才能が開花して、魔術師になれる者も存在すると聞く。 

 その場合は魔法で生計を立てている魔術師に弟子入りし教えを請う、若しくは専門の学術所である魔術学校に通う事が必須だと言われているが、しかし彼女は王宮の下級侍女として働いていたはずである。


 貴族女性の花形職とされる王宮侍女になるには、上級下級に関わらず貴族学園在学中に王宮で開かれる試験を受験し合格する必要がある。
 そして王立学園を卒業してしまうと試験の受験資格を失う。
 つまり卒業迄の5年間しかも学生の間しか受験できないという厳格な決まりがある。

 しかも王宮侍女として王城に上がるのは誕生日を迎えた満18歳の者と決まっているので侍女になりたいからといって、受かるまで留年するなどという搦め手も通用しないのだ。


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