【完結】真実の愛はこちらです2〈完結集〉

hazuki.mikado

文字の大きさ
上 下
5 / 49
悪役令嬢って何かしら?

しおりを挟む
 イケメン王子が自分の後ろに控える側近から何やら書類を渡されると、其れに目を通しながらオペラ歌手もかくやと言わんばかりのバリトンボイスでエミに向かって言葉をかける。


 「聖女エミよ」

 「はいっ♡」


 若干の喜色を含んだ声を上げるエミにちらりと興味無さげな視線を送るマティアス殿下。


 「教会からの報告書によると、慈善活動と称して村人Aの子供の怪我、村人Bの風邪に伴う諸症状、村人Cに対する腹痛等etc・・・ を自身の聖神力でもって快癒させたとある。その功績により教会より聖女として認めるという許可が降りたが間違い無いかな?」


 そう。

 この世界に何で自分が移転したのかは分からないが、道端で会った子供に声を掛けると目の前ですっ転んで膝を擦りむいて泣かれてしまい、うるさいなあと思いながらしゃがんで傷口を確認しようと肩に触れたらあっという間に治ってしまったのだ。

 そのまま子供の親がすっ飛んできて、『聖女様だ』と持ち上げられて村の病人のお世話をさせられた。

 実はエミ自身は親切でやった訳ではなく上手いこと利用された感満載である。


 「間違い無いです・・・」


 その時のことを思いだして若干不機嫌になるエミ。


 「また、王都の教会預かりになった後神父からの報告として、この世界が【乙女ゲーム】であり、王太子や、その側近の婚約者が【悪役令嬢】であるという発言から【異世界人】だという結論となったが、相違無いか?」


 え? なにそれ?! あの神父から報告が行ったって事? え?


 「え、何でそんな事で・・・ 異世界人確定なの?」


 イケメン王子が無表情のまま、


 「この国に落ちて来る異世界人は必ず【乙女ゲーム】【悪役令嬢】【攻略対象】【逆ハーエンド】という言葉を必ず口にするからだ。隣国は【魔王】【勇者】【ハーレムエンド】【課金ゲー厶】【チート】【俺つええ】らしいがな」


 「・・・・」


 なんか、隣国がどういう国かが想像がついたね♪


 「そそそ、そんなにいっぱい異世界から人が落ちて来るんですか?!」

 「そうだ年に一回位なので我が国は少ない。隣国なんぞ月イチらしいからな」


 まーじーかー・・・?!


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々

くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。 「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。 お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。 「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

【本編、番外編完結】血の繋がらない叔父にひたすら片思いしていたいのに、婚約者で幼馴染なアイツが放っておいてくれません

恩田璃星
恋愛
蓮見千歳(はすみちとせ)は、血の繋がりのない叔父、遼平に少しでも女性として見てもらいと、幼い頃から努力を続けてきた。 そして、大学卒業を果たし千歳は、念願叶って遼平の会社で働き始めるが、そこには幼馴染の晴臣(はるおみ)も居た。 千歳が遼平に近づくにつれ、『一途な想い』が複雑に交錯していく。 第14回恋愛小説対象にエントリーしています。 ※別タイトルで他サイト様掲載作品になります。 番外編は現時点でアルファポリス様限定で掲載しております。

淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫

梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。 それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。 飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!? ※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。 ★他サイトからの転載てす★

悪役令嬢と転生ヒロイン

みおな
恋愛
「こ、これは・・・!」  鏡の中の自分の顔に、言葉をなくした。 そこに映っていたのは、青紫色の髪に瞳をした、年齢でいえば十三歳ほどの少女。  乙女ゲーム『タンザナイトの乙女』に出てくるヒロイン、そのものの姿だった。  乙女ゲーム『タンザナイトの乙女』は、平民の娘であるヒロインが、攻略対象である王太子や宰相の息子たちと交流を深め、彼らと結ばれるのを目指すという極々ありがちな乙女ゲームである。  ありふれた乙女ゲームは、キャラ画に人気が高まり、続編として小説やアニメとなった。  その小説版では、ヒロインは伯爵家の令嬢となり、攻略対象たちには婚約者が現れた。  この時点で、すでに乙女ゲームの枠を超えていると、ファンの間で騒然となった。  改めて、鏡の中の姿を見る。 どう見ても、ヒロインの見た目だ。アニメでもゲームでも見たから間違いない。  問題は、そこではない。 着ているのがどう見ても平民の服ではなく、ドレスだということ。  これはもしかして、小説版に転生?  

燻らせた想いは口付けで蕩かして~睦言は蜜毒のように甘く~

二階堂まや
恋愛
北西の国オルデランタの王妃アリーズは、国王ローデンヴェイクに愛されたいがために、本心を隠して日々を過ごしていた。 しかしある晩、情事の最中「猫かぶりはいい加減にしろ」と彼に言われてしまう。 夫に嫌われたくないが、自分に自信が持てないため涙するアリーズ。だがローデンヴェイクもまた、言いたいことを上手く伝えられないもどかしさを密かに抱えていた。 気持ちを伝え合った二人は、本音しか口にしない、隠し立てをしないという約束を交わし、身体を重ねるが……? 「こんな本性どこに隠してたんだか」 「構って欲しい人だったなんて、思いませんでしたわ」 さてさて、互いの本性を知った夫婦の行く末やいかに。 +ムーンライトノベルズにも掲載しております。

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?

21時完結
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。 王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト 悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。

処理中です...