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転生悪役令嬢はダサいのがお嫌!!
12 王子チョロい?
しおりを挟む王子と二人で軽やかにファーストダンスを踊った後、他の候補者も混ざり貴族達の華やかなダンスが始まる。
二年後イリスが十八歳になると婚姻の運びとなる事が国王の宣言によってこの場で決定した。
因みにどうでもいいかも知れないが、その時点で王子は二十歳である。
まあ、年の差としてはいい感じなんだろうね。やだなあ、その間にピンクブロンド若しくは金髪で、薄い水色の目の、ペッタン胸の男爵令嬢あたりが現れてこの人攻略されちゃって自分は断罪後に国外追放とか修道院に送られちゃうのかしら? エロゲだと娼館送り?
ゲームだったら有り得そうな展開を頭で反芻しつつ、蕩けそうな表情で自分を見つめている王子に気が付かないまま、ダンスを続けるイリスであった。
因みに父である公爵閣下は、国王夫妻と別室でこの期に及んで未だに揉めているのは想定内の出来事なのでこの場では割愛である。
仲が良いほどよく喧嘩する~ とでも言っておこう。
知らんけど。
「どうして、普段からその姿じゃなかったのかな? 君は?」
王子に連れられて、手に果実水のグラスを持ったまま会場からバルコニーに移動した。
「何というか、子供時代との決別とでもいいましょうか。この夜会で女性として認められることに対するケジメですわ。今までは子供として周りから許されることも、これからはそうはいきませんでしょうし・・・」
慌てていることをおくびにも出さず、上手い具合に言い繕う。流石元社会人だ。多分だが。
「成程。アレは子供のする我儘だったのか・・・ しかし、貴方の美しさを何というか・・・」
「阻害していましたでしょう?」
「ああ。申し訳ないがそう思うよ」
「あれは、子供でいてほしいという、父の希望から来るものでしたので。本来ならこの様に控えめな衣装が好きなのですわ」
上手いこと言うなぁ、自分。
「そうか。アレは父上が君に何時迄も子供でいて欲しいという願いだったのかも知れないね」
上手いこと王子は理解してくれたようである。しかも結構良い感じで曲解もするようだ。
――単に彼は、公爵と両親のやり取りを知っているだけなのだが・・・ 彼女はその事実を知らないため、
『うん。チョロいな王子』
と、勘違いしてしまう。
『こんな感じにヒロインにも楽勝で攻略されるんかな~・・・』
ちょっとばかり誤解もあるが概ねニ人の相性は良い・・・ のかも知れない・・・
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