【完結】美貌の男はお好きですか？それが例え悪魔でも？〜悪魔のお嫁様〜

３２ 金の小鳥 side-k

　「なにそれ、意味わかんない」

「長い事人の世で色々やってたみたいだから、女になれる方法でも見つけたんじゃねーの？」

「アイツ！　だから金の小鳥の探索網に引っ掛から無かったのね」

「俺んとこに来たあの魔法の鳥か？」


　首を傾げる褐色の肌の美丈夫を睨みつけるイーブリット。


「そうよ。大陸中に定期的に放って、生き残った男神を探してるの。私だって偶に労って欲しいし、眠りたいのよッ！」

「そりゃあご苦労さん。俺は元々、神の営みに興味がないからな。省いといてくれ」


　そう言って肩を竦めるキアンの瞳は昔見た蒼翠色ではなく、早春の菫の色だとブリーイットは今更ながら気が付いた。



「アンタ、髪の毛も短くなっちゃってるけど、その目の色どうしたのよ、昔と違うじゃないのさ」

「？　ああ、こりゃエクネの口利きで人の子を助けた対価に預かったんだ。その子供の目だ。俺のはその子供が持ってるな」

「・・・アンタ、馬鹿？」

「あ゛？」

「その子にアンタの身体の一部を渡したってことは、アンタの伴侶の証じゃないの！！」

「ん？　あれ？　そうだっけ」


　この男、あまりにも長い間寝ていたので神々の為来しきたりを忘れたらしい・・・いやそうじゃない。


「昔から、そういうヤツだったわアンタって」


　はぁぁ～、と溜息をつくブリーイット。