【完結】金で買ったお飾りの妻 〜名前はツヴァイ 自称詐欺師〜

hazuki.mikado

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伯爵令嬢マリア

8 その後

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 その後は毎日食事とお茶のカートを押して女主人の部屋に行くのが日課となった事以外は特にこれと言って変わりのない生活・・・ いや、ハリーと仲良くなって時折庭で話しをするようになった。


 それから奥様の部屋にはツヴァイさんがいたりいなかったり、偶に部屋の外で侍従のお仕着せを着て歩いていたり、メイド服を着て掃除をしていたりするのに鉢合わせすることもあり、ある意味心臓に悪い日々でもあった。

 言われた通りに食事はベット下の床に放置したあと皿を片付けに時間をおいてから取りに向かう。

 この繰り返しだった。


 公爵閣下の事は全くわからない。

 召使は24時間全員が本邸にいるわけでは無く、仕事が終われば専用の宿舎で過ごすからだ。

 私は奥様付きということで夜勤は無く、朝から夕方までの勤務だった。

 同室のメイドが公爵様の夜の世話が忙しいと嘆いていたが、


 「奥様もお可哀想よね」


 そう言って同情された。

 どうやら毎日日替わりで公爵様の恋人達がやって来るらしく、私?? の出る幕はないらしい。

 ツヴァイさんはどうしているんだろうとも思ったが、よく邸を彷徨いてるから大丈夫だろうと勝手に思うことにした。

 母が死んでから、やっと人らしい生き方、しかも公爵邸のメイドになってから送れるようになったのがすごく不思議。

 暖かい布団の中で明日の段取りをしながら毎日ゆっくり眠った。

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