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11 公爵令嬢の胸の内
しおりを挟むそもそも殿下は婚約者の私に好意は抱いて無いのよね。ゲームでもそうだったけど、現実もほぼ同じ。
自分より優秀だとコンプレックスが刺激されて駄目っぽいね。
公爵領の改革が彼にとって決定打だったみたいで12歳辺りで私のテコ入れが有名になったせいで、余計に私に対する態度が悪くなった。
あれはお父様が社交界で自慢したから、バレたんだけど。ま、いつまでも隠し通せるようなもんじゃないからね。しゃーなしだわ。
×××
そもそも王子とは出会い頭からして最悪だったのよねー。
考えてもみてよ? 婚約した当時私が9歳当時彼は7歳な訳よ。
男の子より女の子の方が背が伸びるのも早いのは前世でも今生でも同じなのよ。
でさ、言われた訳よ。
婚約させられた直ぐ後の二人きりのお茶会で。
「デカい女だ・・・コレが婚約者?」
「・・・殿下が成長途中なだけでは?」
「何だと?」
「いえ、子どものうちは女性の方が早く背が伸びるにすぎません。殿下はこれからどんどん身長が伸びる筈ですわ」
「ふん・・・」
スゲー失礼だけどこっちはオトナな対応せざるを得ないのよね。
一応臣下だしさー。
実際中身はアラサーだったしさー。
でもねえ、小ぶりな殿下は著しくプライドを傷つけられたみたいでさ~ しばらく会う度に塩対応されたわね。
当然勉強も私のほうが進んでるから気に喰わないわけさ。
王宮で勉強しようったって、こっちは授業内容は既に終わっちゃってるからね~ 休み時間が早くやってくるのよね。
終わった後のお茶会とかさ、待たされ続けて彼がやって来るまでよく船漕いでたわよ。
来たら来たで、私が早すぎるとか、サボってるんだろうとか言い出して勝手に怒って文句言うしさ。
ハイハイオコサマメンドクセエ。
あんまり面倒くさいから王宮講師のプライドをコテンパンにへし折って躾直して王宮にもう勉強しに行かなくてもいいお墨付きをもらい受けて陛下に提出した。
だから、ここ何年も王宮に行くのって定例のお茶会だけ熟してタウンハウスに帰って来るだけだったのよね。
殿下が諸々の事を気がついてないのは知ってたけど言ったらまた怒ると煩いから内緒にしておいた。
8年間友好度はほぼ上がらず、両陛下がよーく言い聞かせて暴言に近い発言はグッと減って随分王子様らしい所作は身についたけど。
×××
一応ね、この世界に生まれ変わっちゃったんだから腹くくって王子にも対応しようかって一時は思ったのよ? お互いに興味の方向性が違うから――私は魔法、彼は剣技――問題は起こらないけど、仲の悪い姉と弟って感じのままで来てたのが、10歳の時にこの世界って乙女ゲームの世界じゃん、しかも私は悪役令嬢っ?! て事に気が付いたら肩の力が抜けて楽になった。
そりゃあ好感度が何やっても上がらない訳よねって悟ったわ。
ホントの兄弟ならとっくにグーパンで躾直してるわ。
もう放置よ放置。
好きにしろ。所詮は他人だもんね。
しかもヤツは私に冤罪を擦りつけて婚約破棄をしてくる予定の男。そう思ったら余計に他人行儀になったのは否めない。
やきもちを焼いてヒロイン虐めって事はあり得ないくらい周りも認める程の冷めてる婚約者としてきっちり振る舞った。
でもさ~、そもそも嫉妬して虐めるくらいならサッサと男爵家に圧力かけて秘密裏にヒロインをヌッ◯ロした方が早くない? 公爵家って一応王家に次ぐ身分なんだけど? 両親とはちゃんと血が繋がってるし、私自身もドアマット系お嬢様じゃないし?
おかしな話よねえ。
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