君と恋をしたいのに、なかなか始まらなかった君との恋の物語 〜攻略対象の王子様と悪役令嬢(仮)〜

hazuki.mikado

文字の大きさ
上 下
24 / 90
3章 ゲーム開始?

24. シルフィーヌ・アーバスノット①

しおりを挟む


 私はこのカートレット王国の筆頭公爵家の娘、シルフィーヌ・アーバスノット。そして私の婚約者はこの国の第1王子ウィリアム・カートレットで将来的に私は王子妃になり、ゆくゆくは王妃となる予定だ。


 別に王妃になんかなりたいわけじゃないの。


 ただ、ウィルと結婚したら自動的にそうなるってだけで・・・ 


 でもね、秘密だけど私もウィルも実は転生者だから現代日本の便利さとか自由さを知っちゃってるからこの世界での王侯貴族の生活が何だか少し違和感があるのよね。

 ウィルは赤ちゃんの時から前世の記憶があったみたいだけど、私はそれ程覚えてない。

 思い出さないほうが今の生活に違和感が生まれないからその方がいいって教えてくれたのはウィルだ。

 彼は赤ちゃんの時から記憶があって大変だったらしい。

 だから無理に思い出さないようにしてるけど、偶に高校生だった頃のちょっとした記憶が顔を出すことがある。でもソレも本当に断片的なモノで友達とゲームの事で盛り上がったりしてる場面だったり、学食でお弁当食べてたりその程度だから害にはならない。


 でも1番の鮮やかな記憶はこの世界が乙女ゲームの世界に酷似してる事。

 彼はそのゲームの中の攻略対象で私の推し・・・ っていうと勘違いされそうだけど推し活するほどじゃなくて、あくまでもなんとな~くっていう程度のファンだったの。

 ゲームだってやり込んでた訳じゃ無くて、友達に勧められてやってただけ。


 今はそんなの関係なくウィルの事は凄く好きなんだけど。だって話ししてても楽しいし優しいし、頼りになるし。

 何より一緒に居てホッとするのよ。


 最近はドキドキする事が多いけど・・・


 でも彼は私の事をどう思ってるのかは分かんない。

 だって私に触れてくるのは公式な場か他の人の目がある時だけだもの――私の私室とかじゃ絶対に距離をとってるのが分かる。

 ウィルは中身が元から大人だから私の事なんか子供扱いなのかもしれないけど、なんか凄く悔しくて最近はやたらとモヤモヤするの。


 小さい頃から彼は私の前だけでは素を見せてくれてて、やたらとヤンチャで口も悪いけど公式の場では王子様らしく振る舞ってて、いつの間にかゲームの中の王太子よりずっと逞しくて精悍なイケメンになっちゃってて・・・

 魔法も多分国1番なんじゃないだろうかって私は思ってる。

 しかも誠実で、頭もいい上に強いからとにかくモテるのよ・・・






 魔獣討伐の遠征に行く度に彼の行く先は黄色い悲鳴が上がる。

 私だって平民の女の子達に混じってキャーキャー言ってみたい・・・

 でも好きってバレるのが怖いの。


 もし


『子供は相手にしたくない』


 とか


『ずっと一緒にいるからそう云う対象じゃ無い』


 とか言われたりしたら、って考えたら怖くて言い出せない。

 このまま何も起こらなければ彼の婚約者でいられるけど・・・


 でも怖い。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~

黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※ すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!

美杉。祝、サレ妻コミカライズ化
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』  そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。  目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。  なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。  元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。  ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。  いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。  なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。  このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。  悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。  ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

あなたを忘れる魔法があれば

美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。 ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。 私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――? これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような?? R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

処理中です...