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〈Another Story〉story of duke and wife
44 縛り首って訳にいかないのよね
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「ここで非常に残念なお知らせだ」
鳩尾を庇いながら真剣な顔で二人に向かって苦笑いになる王太子オースティン。
「まだ留学期間が残ってるんだ・・・・ 非常に遺憾だが」
その言葉にウッと詰まるオフィーリアとアンドリュー王子。
「まぁ確かに半年は確実に残っていますね・・・」
実に嫌そうに口を開くオフィーリア。
「忘れてました留学期間は一年でした・・・」
この世の終わりか? という顔をするアンドリュー王子。
「認めるのを半年にしておけば良かった・・・」
そして更に鳩尾のガードを鉄壁にするために椅子のクッションを手に取る王太子。
「「「・・・」」」
諦めた様な溜息を1つ付くのは王太子である。
「早めに帰国してもらえるようにヴァルティーノ国王には打診をしておく」
「「分かりました」」
若干不服そうな二人に、王太子自ら書類が手渡される。
「今回の件は5年前終結した戦争も絡むため、ボーフォートの身柄は我が国で確保したまま、三国間協議となる。全てが終るにはまだまだ時間が掛かるのは諦めてくれ」
「スティールと我が国だけの問題じゃ無くなりましたからね」
手渡された書類にはボーフォートが企んでいた計画の詳細が事細かに書かれており、今後3つの国の間で話し合いの場が設けられる事が書かれていた。
「また協議ですか・・・」
書類を一瞥した後で、そう零すアンドリュー王子と若干ウンザリ顔になるオフィーリアに向かって、
「もう縛首やらギロチンで終わらす様な時代じゃないからな」
肩を竦めた王太子であった。
×××
「な~な~、学校にさぁ、オレ行っていいかなあ?」
東の離宮に戻ると、毎度のようにソファーでゴロゴロしている皇太子ヒューイがオフィーリアに向かって笑顔で問いかける。
思わず額に手を置くオフィーリアと目が点になるアンドリュー王子。
「どうして行きたいの?」
「うーん、後2週間で俺の短期留学終わるじゃん? お花畑ちゃんを一回位は直接見て見たいかな~ と思ってさぁ」
「何で?」
「え、そりゃあ面白そうだから」
「「・・・」」
ニコニコ笑うヒューイに無言になる二人。
「面白いで済むかしら?」
「うん。どうかな・・・」
オフィーリア達の心配を他所に
「大丈夫だってば。心配ならリアも一緒に行こうぜ。アンディも学院にちょっと顔出せば? ずっと休みだったんだろ?」
「確かに・・・」
アンドリューが考えるような素振りをする横で、眉をピクリと動かすオフィーリア。
「何か企んでるの?」
ヒューイはニシシ、と笑った。
「いんや、今回は無計画だよ。単純に面白半分だ」
「残りの半分は何よ?」
ん? という顔を一瞬したヒューイだが、
「見極め、かな?」
オフィーリアに向かって、軽くそう答えた。
鳩尾を庇いながら真剣な顔で二人に向かって苦笑いになる王太子オースティン。
「まだ留学期間が残ってるんだ・・・・ 非常に遺憾だが」
その言葉にウッと詰まるオフィーリアとアンドリュー王子。
「まぁ確かに半年は確実に残っていますね・・・」
実に嫌そうに口を開くオフィーリア。
「忘れてました留学期間は一年でした・・・」
この世の終わりか? という顔をするアンドリュー王子。
「認めるのを半年にしておけば良かった・・・」
そして更に鳩尾のガードを鉄壁にするために椅子のクッションを手に取る王太子。
「「「・・・」」」
諦めた様な溜息を1つ付くのは王太子である。
「早めに帰国してもらえるようにヴァルティーノ国王には打診をしておく」
「「分かりました」」
若干不服そうな二人に、王太子自ら書類が手渡される。
「今回の件は5年前終結した戦争も絡むため、ボーフォートの身柄は我が国で確保したまま、三国間協議となる。全てが終るにはまだまだ時間が掛かるのは諦めてくれ」
「スティールと我が国だけの問題じゃ無くなりましたからね」
手渡された書類にはボーフォートが企んでいた計画の詳細が事細かに書かれており、今後3つの国の間で話し合いの場が設けられる事が書かれていた。
「また協議ですか・・・」
書類を一瞥した後で、そう零すアンドリュー王子と若干ウンザリ顔になるオフィーリアに向かって、
「もう縛首やらギロチンで終わらす様な時代じゃないからな」
肩を竦めた王太子であった。
×××
「な~な~、学校にさぁ、オレ行っていいかなあ?」
東の離宮に戻ると、毎度のようにソファーでゴロゴロしている皇太子ヒューイがオフィーリアに向かって笑顔で問いかける。
思わず額に手を置くオフィーリアと目が点になるアンドリュー王子。
「どうして行きたいの?」
「うーん、後2週間で俺の短期留学終わるじゃん? お花畑ちゃんを一回位は直接見て見たいかな~ と思ってさぁ」
「何で?」
「え、そりゃあ面白そうだから」
「「・・・」」
ニコニコ笑うヒューイに無言になる二人。
「面白いで済むかしら?」
「うん。どうかな・・・」
オフィーリア達の心配を他所に
「大丈夫だってば。心配ならリアも一緒に行こうぜ。アンディも学院にちょっと顔出せば? ずっと休みだったんだろ?」
「確かに・・・」
アンドリューが考えるような素振りをする横で、眉をピクリと動かすオフィーリア。
「何か企んでるの?」
ヒューイはニシシ、と笑った。
「いんや、今回は無計画だよ。単純に面白半分だ」
「残りの半分は何よ?」
ん? という顔を一瞬したヒューイだが、
「見極め、かな?」
オフィーリアに向かって、軽くそう答えた。
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