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〈Another Story〉story of duke and wife
22 理想の王子様③
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「あら、そんなに隠さなくても良いのよぉ、お忍びでこの国に来てるのは誰にも言わないからぁ」
――いや、ここにいる全員がその言葉を聞いてるんですけどッ?!
「先程の剣術の模擬試合も素敵でしたわ、まるで社交ダンスを踊る様に優雅な剣捌きでしたわねぇ、普通の貴族程度ではあそこまで美しい動きはできませんことよ? キチンとした教育がされているからこそじゃなくって?」
――いや、ここにいる全員が貴族程度の子息でナニカ? 文句でも?!
彼女の一言一言がどんどん周りの温度を下げていく。
「王女殿下『学園内においてのみ学生同士が、主義主張を意見交換をする場合公平な立場と見倣す』という校則に則って貴方様に意見をさせていただきます」
「え?」
「教室内にいるクラスメイトは全て伯爵家以上の高位貴族の方々です。私と先程手合わせしていただいた方達も全てこの国の素晴らしい貴族の子息ばかりです。王女殿下のお言葉は彼らに対して少々失礼に当たるのではないかと愚考致しますが?」
周りはその言葉に思わずウンウンと首肯くが、
「?? え? 別に貴方に失礼なことなど一言も言って無いわよ?」
――マジか? 何でそうなる?! やっぱコイツ馬●だわ。
「「「「「「・・・」」」」」」
全員が一瞬押し黙ったが、世話役の侯爵家子息が廊下から教室に入ってきて異様なクラスメイトたちの雰囲気に顔色を悪くする。
「一体何が・・・」
教室中の全員の視線がその言葉に反応し、フロイライン王女に集中する。
「ああ・・・ またか・・・」
肩をガックリと落として、王女に近づくと
「殿下、小テストの結果です。残念ながら赤点ですので再テストですよ」
そう言って彼女に向かい黒い微笑みを向けた。
「あら? 何ででしょう?」
コテンと首を傾げ可愛く微笑むフロイライン王女。
――ああ、やっぱり・・・
「勉強から逃げ回るからですッ! イ・チ・カ・ラ・オ・シ・エ・マ・ス・ノ・デッ! すぐに席にお戻り下さい」
「ヒイッ!」
何だか彼の銀縁眼鏡の奥にある黒い瞳に、光が見当たらなかったような気がしたのは多分その場の全員である・・・
×××
自治会長自らが、有無を言わさず王女を無理やりエスコート ――という名の拘束―― をして、彼女の自席に引っ張っていくのを見送る子息達とヒューイ・ノックス(男装のオフィーリア)。
「どうも彼女は、普通じゃないようだね」
誰かがボソリとそう云うと、
「ああ。何かおかしいと思わないかい? あれ程勉強が苦手なら他国に勉強になど来ないで自国で学んだほうが効率が良いはずだろう? 何で態々学習水準が高いと言われている我が国に来るんだろうな?」
至極真っ当な意見が伯爵家の子息から飛び出した。
「何か目的があるんじゃないか?」
「何かさ、アンドリュー王子に付き纏ってるって噂があっただろう?」
侯爵家の子息がそう云うと、
「いや、我が国の近衛騎士に熱を上げてたって話じゃないかったかい?」
と、他の子息が違う噂を口にした。
「いや、あの噂の近衛は辺境伯のご長女の婿になったらしいよ」
「彼女が嫌で辺境に逃げたんじゃないか?」
「「「「「・・・・」」」」」
――ひょっとしてあの王女この国に男漁りに来てるんじゃ・・・・――
彼らの頭の中で、妙に意見が一致したようで全員の顔色がサーッと悪くなる。
一方オフィーリアは
――学園内に内通者はいないみたいねぇ
と、そっと目だけを動かして周りを見廻していた。
――いや、ここにいる全員がその言葉を聞いてるんですけどッ?!
「先程の剣術の模擬試合も素敵でしたわ、まるで社交ダンスを踊る様に優雅な剣捌きでしたわねぇ、普通の貴族程度ではあそこまで美しい動きはできませんことよ? キチンとした教育がされているからこそじゃなくって?」
――いや、ここにいる全員が貴族程度の子息でナニカ? 文句でも?!
彼女の一言一言がどんどん周りの温度を下げていく。
「王女殿下『学園内においてのみ学生同士が、主義主張を意見交換をする場合公平な立場と見倣す』という校則に則って貴方様に意見をさせていただきます」
「え?」
「教室内にいるクラスメイトは全て伯爵家以上の高位貴族の方々です。私と先程手合わせしていただいた方達も全てこの国の素晴らしい貴族の子息ばかりです。王女殿下のお言葉は彼らに対して少々失礼に当たるのではないかと愚考致しますが?」
周りはその言葉に思わずウンウンと首肯くが、
「?? え? 別に貴方に失礼なことなど一言も言って無いわよ?」
――マジか? 何でそうなる?! やっぱコイツ馬●だわ。
「「「「「「・・・」」」」」」
全員が一瞬押し黙ったが、世話役の侯爵家子息が廊下から教室に入ってきて異様なクラスメイトたちの雰囲気に顔色を悪くする。
「一体何が・・・」
教室中の全員の視線がその言葉に反応し、フロイライン王女に集中する。
「ああ・・・ またか・・・」
肩をガックリと落として、王女に近づくと
「殿下、小テストの結果です。残念ながら赤点ですので再テストですよ」
そう言って彼女に向かい黒い微笑みを向けた。
「あら? 何ででしょう?」
コテンと首を傾げ可愛く微笑むフロイライン王女。
――ああ、やっぱり・・・
「勉強から逃げ回るからですッ! イ・チ・カ・ラ・オ・シ・エ・マ・ス・ノ・デッ! すぐに席にお戻り下さい」
「ヒイッ!」
何だか彼の銀縁眼鏡の奥にある黒い瞳に、光が見当たらなかったような気がしたのは多分その場の全員である・・・
×××
自治会長自らが、有無を言わさず王女を無理やりエスコート ――という名の拘束―― をして、彼女の自席に引っ張っていくのを見送る子息達とヒューイ・ノックス(男装のオフィーリア)。
「どうも彼女は、普通じゃないようだね」
誰かがボソリとそう云うと、
「ああ。何かおかしいと思わないかい? あれ程勉強が苦手なら他国に勉強になど来ないで自国で学んだほうが効率が良いはずだろう? 何で態々学習水準が高いと言われている我が国に来るんだろうな?」
至極真っ当な意見が伯爵家の子息から飛び出した。
「何か目的があるんじゃないか?」
「何かさ、アンドリュー王子に付き纏ってるって噂があっただろう?」
侯爵家の子息がそう云うと、
「いや、我が国の近衛騎士に熱を上げてたって話じゃないかったかい?」
と、他の子息が違う噂を口にした。
「いや、あの噂の近衛は辺境伯のご長女の婿になったらしいよ」
「彼女が嫌で辺境に逃げたんじゃないか?」
「「「「「・・・・」」」」」
――ひょっとしてあの王女この国に男漁りに来てるんじゃ・・・・――
彼らの頭の中で、妙に意見が一致したようで全員の顔色がサーッと悪くなる。
一方オフィーリアは
――学園内に内通者はいないみたいねぇ
と、そっと目だけを動かして周りを見廻していた。
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