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19 閑話 王子の爆弾発言。
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あと一ヶ月足らずで貴族学園の卒業式だ。
今は卒業前の試験休暇中で、学生生活最後の自由時間を楽しんでいる者もいれば将来に向けての準備に忙しい者もいる。
全ての王侯貴族の子息子女は6歳の王城でのお茶会が貴族間でのお披露目であり、それ以降は昼間の催し物に出席可能だ。学園に入学する14歳からようやく夜会への出席が可能となるが、それでも退出時間が午後7時以前という明確な決まりがある。
それはさておき、国王一家は外交として参加しないといけない催しもあるため、6歳以降なら全てのパーティ―に参加できるし、王家主催のものならホストとしての参加が必須である。
王家の血族は王族と呼ばれるが、彼らに関しては国王一家のように催し事への参加義務は無いためよほど重要なものでない限り不参加も許可される。
それは、王族は本家である国王一家に何か不都合のあった時のスペアに過ぎないからだ。
又、国王一家以外の王位継承可能者を出来る限り公式発表しない風潮があるが、下手に公にし過ぎるとお家騒動に繋がる危険性もあるためだったりする。
――まあ、公にしなくとも貴族名鑑などで各貴族家で逐一確認すれば自ずと分かるものだが――
なのでリリーが今日の王宮でのお茶会に不参加でも別に不思議ではない。
のだが・・・
×××
「リリーは今日もお茶会に不参加なのか?」
明るい日差しの元、王家主催のお茶会の最中に暗黙のタブーを口にするその人は第3王子フィルバート・・・
「フィルバート、お前がそれを言うな」
「そうよ、フィルバート黙りなさい」
国王夫妻がまたかと言う顔になり彼を嗜め、二人の兄王子は我関せずの表情でお茶を口に運ぶ。
フィルバートの言葉に一瞬剣呑な表情を見せたが黙って紅茶の入ったカップを口元に運ぶのは王弟でもあるアガスティヤ公爵とその妻、そして嫡男のアレクシスの三人である。
「あと一年でリリーはセイブリアン侯爵家に嫁ぐ予定だろう? その前に会って確かめたい事があったんだよ」
リリーの母、アガスティヤ公爵夫人が扇で口元を隠しながら上品に首を傾げた。
「一体何を? 殿下」
「ルパート・セイブリアンは学園じゃ『歩く女ホイホイ』で有名だ。ホントにアレと結婚していいのかな~って。気になってさ」
「「「「は?」」」」
第3王子が肘を付いて不満気な顔をする。
「リリーは何も言わなかったのかな? 学園じゃ有名だよ。ルパートの節度ある男女の距離ってのが変だから不貞を働いているのか何なのかよく分からないけどさ」
「何でそういう事を早く言わん?!」
陛下が思わず席から立ち上がり唾を飛ばすが、
「今日会えたらリリーに直接聞こうかと思っててさ」
フィルバート王子が肩を竦めた。
「俺だって知ったの、この試験休みに入ってからだからさ~ 流石にいいのかなって?」
その言葉で、その場が大騒ぎになったのは必然だろう。
今は卒業前の試験休暇中で、学生生活最後の自由時間を楽しんでいる者もいれば将来に向けての準備に忙しい者もいる。
全ての王侯貴族の子息子女は6歳の王城でのお茶会が貴族間でのお披露目であり、それ以降は昼間の催し物に出席可能だ。学園に入学する14歳からようやく夜会への出席が可能となるが、それでも退出時間が午後7時以前という明確な決まりがある。
それはさておき、国王一家は外交として参加しないといけない催しもあるため、6歳以降なら全てのパーティ―に参加できるし、王家主催のものならホストとしての参加が必須である。
王家の血族は王族と呼ばれるが、彼らに関しては国王一家のように催し事への参加義務は無いためよほど重要なものでない限り不参加も許可される。
それは、王族は本家である国王一家に何か不都合のあった時のスペアに過ぎないからだ。
又、国王一家以外の王位継承可能者を出来る限り公式発表しない風潮があるが、下手に公にし過ぎるとお家騒動に繋がる危険性もあるためだったりする。
――まあ、公にしなくとも貴族名鑑などで各貴族家で逐一確認すれば自ずと分かるものだが――
なのでリリーが今日の王宮でのお茶会に不参加でも別に不思議ではない。
のだが・・・
×××
「リリーは今日もお茶会に不参加なのか?」
明るい日差しの元、王家主催のお茶会の最中に暗黙のタブーを口にするその人は第3王子フィルバート・・・
「フィルバート、お前がそれを言うな」
「そうよ、フィルバート黙りなさい」
国王夫妻がまたかと言う顔になり彼を嗜め、二人の兄王子は我関せずの表情でお茶を口に運ぶ。
フィルバートの言葉に一瞬剣呑な表情を見せたが黙って紅茶の入ったカップを口元に運ぶのは王弟でもあるアガスティヤ公爵とその妻、そして嫡男のアレクシスの三人である。
「あと一年でリリーはセイブリアン侯爵家に嫁ぐ予定だろう? その前に会って確かめたい事があったんだよ」
リリーの母、アガスティヤ公爵夫人が扇で口元を隠しながら上品に首を傾げた。
「一体何を? 殿下」
「ルパート・セイブリアンは学園じゃ『歩く女ホイホイ』で有名だ。ホントにアレと結婚していいのかな~って。気になってさ」
「「「「は?」」」」
第3王子が肘を付いて不満気な顔をする。
「リリーは何も言わなかったのかな? 学園じゃ有名だよ。ルパートの節度ある男女の距離ってのが変だから不貞を働いているのか何なのかよく分からないけどさ」
「何でそういう事を早く言わん?!」
陛下が思わず席から立ち上がり唾を飛ばすが、
「今日会えたらリリーに直接聞こうかと思っててさ」
フィルバート王子が肩を竦めた。
「俺だって知ったの、この試験休みに入ってからだからさ~ 流石にいいのかなって?」
その言葉で、その場が大騒ぎになったのは必然だろう。
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