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14 閑話 ルパート・セイブリアン侯爵子息
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ルパート・セイブリアン侯爵令息。
フォルセット公爵率いる、俗に言う貴族派と呼ばれる派閥の中核を担う侯爵家の嫡男である。
見事な黄金の髪に海を思い出させるようなアクアブルーの瞳をしており、少しばかり甘めのマスクはかなり整っていて、舞台役者も裸足で逃げそうな美男子だ。
この国の王族はどちらかというと顔の造作が地味な傾向がありマジで貴族の中に埋没しそうな彼らより、王子様らしいと学園の女子達に言わしめる程の有名人である。
【蟻の法則】の一番多い、六割あたりを占める立ち位置の性質の人物だが、美貌を持って生まれた由縁かニコリと笑うと全てがエスカレーター式に進むため、恐らくは打たれ弱い所がある―― 多分挫折に弱いだろう。更には若干騙されやすいのが玉に瑕といった所であろうか―― 特に女性に。
母の教育が行き届き過ぎたせいか、見境なく女性には親切&マメな人物であり、女性の誘いは全くと言ってよい程断らない優柔不断さがある。
そのため一部の人間には前述のルミア嬢並みには煙たがられているが、彼女に比べれば概ね平穏な生活を学園でも過ごしていた。
あくまでも比べれば、であるが。
まず、間違い無く彼はトラブルメーカーと言っても過言ではないからだ。
行く先々の女性に向かい遍く勘違いをさせるほどに甘いのだ。
そのセリフを聞いた男達は甘すぎて思わず吐き戻しそうになるくらい女性を賛美する。
そして易々と女性を陥落させるのだ。
しかも全くの無自覚。
周りにいる男性陣にとっては災害級の悪だが、侍る女性にとっては天に住まう天使の如くである。
・・・しかし本人には全く悪気は無い。
かなりの天然と言わざるを得ないが、母親が盲目的に猫可愛がりをした結果出来上がったスケコマシ機械は、その後に別派閥(王族派)の公爵家長女リリー・アガスティヤと婚約を果たす。
――コイツならうまいこと公爵令嬢を手玉に取れるだろう。
まあ、周りの大人の汚さ全開の期待を背負って彼は同い年の婚約者と仲良く過ごすことになった。
筈だった・・・
残念ながら周りにいる黒い大人達の期待をまるで裏切るように、婚約者であるリリー・アガスティヤ公爵令嬢一筋! に彼はならなかったのである。
まあ、ある意味筋金入りのフェミニストであるルパートの事を完全に大人たちが見誤ったせいであって、彼のせいではない。
多分・・・
目につく女性は全て自分の愛の対象。
敬うべき愛する淑女たちを放り出す事など彼に出来るはずが無かっただけである。
リリー・アガスティヤ公爵令嬢は将来自分と婚姻する敬うべき相手であり、月イチのデートの時は全力で彼女の控えめで初々しい可愛らしさを褒め称えるし、当然エスコートも完璧である。
誕生日にはプレゼントは欠かさず贈るし、季節毎の挨拶状も欠かさない。
しかし。唯それだけである。
彼女から離れ、他の女性を前にするとたちまち女神の如く敬う言葉が自然と生まれるのである。
蓋の空いたオルゴールか? と言いたくなるくらいに垂れ流す愛の言葉に様々な誤解が生まれていくが、彼は全く気にしない。(ネジの巻き手を見てみたい)
女性を愛でる事こそが、彼が生まれてきた目的だから――
母親という生き物は適当なところで、男児を突き放す事が重要であるという案件の見本である。
合掌。
フォルセット公爵率いる、俗に言う貴族派と呼ばれる派閥の中核を担う侯爵家の嫡男である。
見事な黄金の髪に海を思い出させるようなアクアブルーの瞳をしており、少しばかり甘めのマスクはかなり整っていて、舞台役者も裸足で逃げそうな美男子だ。
この国の王族はどちらかというと顔の造作が地味な傾向がありマジで貴族の中に埋没しそうな彼らより、王子様らしいと学園の女子達に言わしめる程の有名人である。
【蟻の法則】の一番多い、六割あたりを占める立ち位置の性質の人物だが、美貌を持って生まれた由縁かニコリと笑うと全てがエスカレーター式に進むため、恐らくは打たれ弱い所がある―― 多分挫折に弱いだろう。更には若干騙されやすいのが玉に瑕といった所であろうか―― 特に女性に。
母の教育が行き届き過ぎたせいか、見境なく女性には親切&マメな人物であり、女性の誘いは全くと言ってよい程断らない優柔不断さがある。
そのため一部の人間には前述のルミア嬢並みには煙たがられているが、彼女に比べれば概ね平穏な生活を学園でも過ごしていた。
あくまでも比べれば、であるが。
まず、間違い無く彼はトラブルメーカーと言っても過言ではないからだ。
行く先々の女性に向かい遍く勘違いをさせるほどに甘いのだ。
そのセリフを聞いた男達は甘すぎて思わず吐き戻しそうになるくらい女性を賛美する。
そして易々と女性を陥落させるのだ。
しかも全くの無自覚。
周りにいる男性陣にとっては災害級の悪だが、侍る女性にとっては天に住まう天使の如くである。
・・・しかし本人には全く悪気は無い。
かなりの天然と言わざるを得ないが、母親が盲目的に猫可愛がりをした結果出来上がったスケコマシ機械は、その後に別派閥(王族派)の公爵家長女リリー・アガスティヤと婚約を果たす。
――コイツならうまいこと公爵令嬢を手玉に取れるだろう。
まあ、周りの大人の汚さ全開の期待を背負って彼は同い年の婚約者と仲良く過ごすことになった。
筈だった・・・
残念ながら周りにいる黒い大人達の期待をまるで裏切るように、婚約者であるリリー・アガスティヤ公爵令嬢一筋! に彼はならなかったのである。
まあ、ある意味筋金入りのフェミニストであるルパートの事を完全に大人たちが見誤ったせいであって、彼のせいではない。
多分・・・
目につく女性は全て自分の愛の対象。
敬うべき愛する淑女たちを放り出す事など彼に出来るはずが無かっただけである。
リリー・アガスティヤ公爵令嬢は将来自分と婚姻する敬うべき相手であり、月イチのデートの時は全力で彼女の控えめで初々しい可愛らしさを褒め称えるし、当然エスコートも完璧である。
誕生日にはプレゼントは欠かさず贈るし、季節毎の挨拶状も欠かさない。
しかし。唯それだけである。
彼女から離れ、他の女性を前にするとたちまち女神の如く敬う言葉が自然と生まれるのである。
蓋の空いたオルゴールか? と言いたくなるくらいに垂れ流す愛の言葉に様々な誤解が生まれていくが、彼は全く気にしない。(ネジの巻き手を見てみたい)
女性を愛でる事こそが、彼が生まれてきた目的だから――
母親という生き物は適当なところで、男児を突き放す事が重要であるという案件の見本である。
合掌。
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