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第2話 結婚だけが幸せのカタチ?
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連日拓海対する遥の猛攻が進んだ。
「ねぇ先輩私のどこがダメなんですか?ねぇ先輩ったら。」
「うるさい、自分で自問自答してみろ。」
拓海は軽くあしらった。
「それ毎日言ってますよね。」
「俺は何度も言うけど、もう彼女は作らない。今もこれからも。
分かったらとっとと仕事に取り掛かる!!はいGO!!」
拓海は遥の背中を軽く押し自分の仕事場へ戻っていった。
「まだ話し終わってないのに!!」
3年前拓海には一緒に結婚を約束していた人物がいた。
しかし、それが叶うことはなかった。
彼女はある病気にかかり、その病気が原因で命を落としてしまうのだった。
「ねぇ澪、目を覚ましてよ…今年も一緒に桜見ようって約束したじゃん…
俺を置いて先に行かないでよ…澪…」
それ以降大事な人がいなくなってしまうトラウマから拓海は彼女を作ることをやめた。
誰かがいなくなって悲しむくらいなら一人で何もなく暮らしたい。
それが今の拓海の願いでもあった。これ以上自分が悲しまない為に…
・
・
・
「そういえば柊さん。」
結婚相談所の客である、山本が話しかけた。
「はい?なんでしょう。」
「失礼な話結婚してらっしゃるんですか?」
「僕、してないんです。一応仕事に私情は持ってきたくないので
結婚とかはあまり考えないようにしてます。すいません、結婚相談所なのに…
少し心配ですか?アドバイザーが結婚してないと…」
拓海がそう聞くと山本は少し苦笑いをしながらうなずいた。
「まぁ僕も結婚へ導くプロでやってますから、そんな心配しないでください。
必ず成功させますから。」
拓海は自信満々に答えたが心のどこかで少しつっかえる部分でもあった。
「今度婚活パーティーにでも行ったらどう?」
母は拓海に向かった提案をした。
「婚活パーティーね…仕事で沢山人紹介してるし、それだけでお腹いっぱいかな」
「私もそんな若くないからいい加減見つけなさい。…何なら相談所でいいと思った人
捕まえたら?」
母がひらめいたように話した。
「ルール違反。そんなことやったら俺クビになるから。…てか俺の部屋勝手に入るなよ。
俺も大人なんだからそれくらい頼むよ。」
「あんたもあの人と同棲してた時の方がよっぽどよかったよ…」
拓海がむすっと話すと母は呆れて一言だけ言って部屋を去った。
拓海は心がナイフで刺されたような痛みが走り、やるせない気持ちが拓海を
襲うのだった。
「先輩、私どうしたら先輩の彼女になれるんですか?」
遥は5歳児のような純粋な質問を拓海に投げかけた。
「どうすればって…本人に聞くか普通?」
「だって先輩ダメダメばかりでなんでダメなのか教えてくれないじゃない
ですか。いい加減教えてくださいよ。」
遥は少しいじけた表情で言った。
「わかったから。今日仕事終わったら帰りに全部教えるから。
それで満足か?」
拓海がそう言うと、遥は嬉しそうな顔でうなずいた。
相談室
「山本さん、来週僕を彼女だと見立てて模擬デートをしましょう。
思い立ったら実践です。まぁ本当なら女性社員がいいんですけど、
コンプライアンス上できないことになってるので…」
相談客の山本と拓海が二人で面談を行っていた。
「なんというでしょう。私どうしても恥ずかしがりやで
女性と話すときちゃんとできるんでしょうか?」
「だから僕と模擬デートするんじゃないですか。僕を女性だと思って
接してください。その経験が後についてきます。」
山本が少し不安そうに話すと拓海は山本に励ましの言葉を向けた。
会社近辺の居酒屋
「お前に何度も告白してもらうのもなんか申し訳ないから
訳を話すよ。なんで俺が彼女を作らないか。」
拓海が話を切り出した。
「俺は3年前に結婚すると決めてた人がいたんだ。
だけど病気にかかってその病気が悪化し俺と澪は結婚するという夢は
消えた。それからは俺は作る気はない。別に昔のことを引きずってるわけ
じゃないけど、好きになった人がまた俺の前から消えるのが怖いんだ。
本当に申し訳ないと思ってる。気持ちを受け取ることができなくて…」
拓海が神妙そうに話すと、遥ははぐらかすように一人で話した。
「そんなことなら早く言ってくださいよ!!な~んだちゃんとした理由
あるんだ~!!…私ちょっとお手洗いに行ってきますね。
遥は速足でお手洗いに向かった。話を聞いている間は涙をこらえていたが、
個室に入るとその場に泣き崩れた。
悔しさではない。遥を表せないような感情が心を締め付ける。
そして、遥は一つある決心をした。
『私が、先輩を助ける。』
第2話結婚だけが幸せのカタチ?
完
第3話は4月15日公開
「ねぇ先輩私のどこがダメなんですか?ねぇ先輩ったら。」
「うるさい、自分で自問自答してみろ。」
拓海は軽くあしらった。
「それ毎日言ってますよね。」
「俺は何度も言うけど、もう彼女は作らない。今もこれからも。
分かったらとっとと仕事に取り掛かる!!はいGO!!」
拓海は遥の背中を軽く押し自分の仕事場へ戻っていった。
「まだ話し終わってないのに!!」
3年前拓海には一緒に結婚を約束していた人物がいた。
しかし、それが叶うことはなかった。
彼女はある病気にかかり、その病気が原因で命を落としてしまうのだった。
「ねぇ澪、目を覚ましてよ…今年も一緒に桜見ようって約束したじゃん…
俺を置いて先に行かないでよ…澪…」
それ以降大事な人がいなくなってしまうトラウマから拓海は彼女を作ることをやめた。
誰かがいなくなって悲しむくらいなら一人で何もなく暮らしたい。
それが今の拓海の願いでもあった。これ以上自分が悲しまない為に…
・
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・
「そういえば柊さん。」
結婚相談所の客である、山本が話しかけた。
「はい?なんでしょう。」
「失礼な話結婚してらっしゃるんですか?」
「僕、してないんです。一応仕事に私情は持ってきたくないので
結婚とかはあまり考えないようにしてます。すいません、結婚相談所なのに…
少し心配ですか?アドバイザーが結婚してないと…」
拓海がそう聞くと山本は少し苦笑いをしながらうなずいた。
「まぁ僕も結婚へ導くプロでやってますから、そんな心配しないでください。
必ず成功させますから。」
拓海は自信満々に答えたが心のどこかで少しつっかえる部分でもあった。
「今度婚活パーティーにでも行ったらどう?」
母は拓海に向かった提案をした。
「婚活パーティーね…仕事で沢山人紹介してるし、それだけでお腹いっぱいかな」
「私もそんな若くないからいい加減見つけなさい。…何なら相談所でいいと思った人
捕まえたら?」
母がひらめいたように話した。
「ルール違反。そんなことやったら俺クビになるから。…てか俺の部屋勝手に入るなよ。
俺も大人なんだからそれくらい頼むよ。」
「あんたもあの人と同棲してた時の方がよっぽどよかったよ…」
拓海がむすっと話すと母は呆れて一言だけ言って部屋を去った。
拓海は心がナイフで刺されたような痛みが走り、やるせない気持ちが拓海を
襲うのだった。
「先輩、私どうしたら先輩の彼女になれるんですか?」
遥は5歳児のような純粋な質問を拓海に投げかけた。
「どうすればって…本人に聞くか普通?」
「だって先輩ダメダメばかりでなんでダメなのか教えてくれないじゃない
ですか。いい加減教えてくださいよ。」
遥は少しいじけた表情で言った。
「わかったから。今日仕事終わったら帰りに全部教えるから。
それで満足か?」
拓海がそう言うと、遥は嬉しそうな顔でうなずいた。
相談室
「山本さん、来週僕を彼女だと見立てて模擬デートをしましょう。
思い立ったら実践です。まぁ本当なら女性社員がいいんですけど、
コンプライアンス上できないことになってるので…」
相談客の山本と拓海が二人で面談を行っていた。
「なんというでしょう。私どうしても恥ずかしがりやで
女性と話すときちゃんとできるんでしょうか?」
「だから僕と模擬デートするんじゃないですか。僕を女性だと思って
接してください。その経験が後についてきます。」
山本が少し不安そうに話すと拓海は山本に励ましの言葉を向けた。
会社近辺の居酒屋
「お前に何度も告白してもらうのもなんか申し訳ないから
訳を話すよ。なんで俺が彼女を作らないか。」
拓海が話を切り出した。
「俺は3年前に結婚すると決めてた人がいたんだ。
だけど病気にかかってその病気が悪化し俺と澪は結婚するという夢は
消えた。それからは俺は作る気はない。別に昔のことを引きずってるわけ
じゃないけど、好きになった人がまた俺の前から消えるのが怖いんだ。
本当に申し訳ないと思ってる。気持ちを受け取ることができなくて…」
拓海が神妙そうに話すと、遥ははぐらかすように一人で話した。
「そんなことなら早く言ってくださいよ!!な~んだちゃんとした理由
あるんだ~!!…私ちょっとお手洗いに行ってきますね。
遥は速足でお手洗いに向かった。話を聞いている間は涙をこらえていたが、
個室に入るとその場に泣き崩れた。
悔しさではない。遥を表せないような感情が心を締め付ける。
そして、遥は一つある決心をした。
『私が、先輩を助ける。』
第2話結婚だけが幸せのカタチ?
完
第3話は4月15日公開
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