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ウィージー
しおりを挟む高校の時、人間関係が貧しくて、毎日むおお、とした思いで学校に行ってたんだけど、そんな時やりだした事があって。とりあえず、学校に行っても自分の話をすることがまずなかった。友達の話の相槌を打つか、話さないか、みたいな感じで、でも、誰にも自分の話をしたくないわけでもなく、ただ、家族にする話でもないような気がする、っていうのがだんだん蓄積していった。
そしてついにベッドの上に転がってたぬいぐるみに話しかけます。トイストーリーに出てくるウィージーっていうペンギンのぬいぐるみがあるんだけど、その子が最初の話し相手だったな。一人とはいえ、ぬいぐるみに向かって話すっていうのはなかなか恥ずかしかった。でも、一回普通の声で話してみたら(なんなら方言とかもがっつり使って)案外平気になって、平気になってしまったので、どんどんエスカレートしていった。いつの間にかウィージーは要らなくなって、誰もいない、何もない、空間に向かって話すのも簡単になった。
去年は特に一人でいることが多くて、ストレスもたぶん人並みに溜まっていたんだと思う。一応。
朝から夕方までひたすら一人で喋っていた。
夕方五時くらいになって、溜まっていた食器を洗いながら喋っていて、声が掠れているのに気付いた時の、あの気持ち、なんて名前付けたらいいんだろう。
ちなみに、独り言じゃなくて、話し相手がいる体で話してるので、相手の返答も想像しながら、ちゃんと会話のキャッチボールはしてた。っていう、ただの怖い話。
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