ヒーローズマキナ

鷹ピー

文字の大きさ
上 下
27 / 34
第1章

27話 バルベル攻防戦1日目 作戦開始

しおりを挟む
「あのオークがいる場所に魔力が集まっています」
高い場所で透視を使って魔力が集まっている所を探す。

「よし。移動するぞ」
僕とアナベルで1人ずつ背負い場所を移動させる。



「よし。タツヤあそこを狙え」

「ホーリーアローッ!」
狙い易い場所まで来るとアナベルが指示を出し、タツヤがそこにホーリーアローを放つ。

タツヤから放たれた光の柱は魔物達に当たると、オークもゴブリンも関係無く体が吹き飛んだ。



「よし。撤退するぞ!」
そして魔物達に囲まれる前に撤退する。

この作戦でここ数時間戦っているけど全体の3割程しか減らせていない。


いや、3割減らせていると言った方が正確かな。




「タツヤの高火力を持ってしても3割と言ったところか」

「まったくどんだけいるんだよ・・・」
魔力ポーションを使いきり、10発以上ホーリーアローを放ったタツヤは相当疲労が溜まっている様だ。

でもその目はまだやる気に満ちているのはすごいと思う。


「日が傾いてきましたけど野宿するならそろそろ場所を探しませんか?」

「そうだな。魔物の近くは危険だから少し離れるぞ」
カカラ村から向かった時と同じ様に2人を背負いながら移動する。

移動中、1体も魔物とすれ違う事はなかった。


周辺の魔物がバルベルに集まっている様だけど、スタンピードが起こるとこうなのだろうか。

僕の前世ではスタンピードはダンジョンから魔物が溢れてくるもので、元々外にいた魔物はダンジョンから出てきた魔物と一緒に暴れるなんて事はなかった。




「食料は私とタツヤのバックに入っていた干し肉だけか。ボア系の魔物がいれば良かったんだがな」
小川の近くにも魔物の気配がなかったのでそこで野宿する事にした。

「僕とカヨは自分の装備だけしか持ってきてないですからね」
まぁ持ってきていたとしても買い出しはしていないからあまり意味はないけど。


「すまん。俺が飛び出したからだよな」
タツヤは気にしているのか俯いている。

「ああそうだ」

「ア、アナベル?」
タツヤに追い打ちをかける様にアナベルは言う。

「だが私達にもタツヤを止められなかった責任がある。だとしてもこれだけは言わせてくれ、お前は頭に血が登ると周りが見えなくなる。それを直さないといつか取り返しのつかない事が起きるぞ」

「・・・ああ」

「タツヤ、確かにお前は強力な力を持っている。だが今回みたいに1人の力ではどうしようもない事があるんだ。今回の依頼でその事に気が付いてくれればそれで良い」
アナベルの諭す様な口調はまるでここにいる全員に向けている様だった。


「・・・分かった」
もうタツヤは俯いていなかった。




その後干し肉を食べてから交代で睡眠を取る。



そして朝日が昇ったが、カカラ村から来るはずの冒険者達はまだ到着していなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。 最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。 更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。 「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」 様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは? ※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。

異世界のんびり冒険日記

リリィ903
ファンタジー
牧野伸晃(マキノ ノブアキ)は30歳童貞のサラリーマン。 精神を病んでしまい、会社を休職して病院に通いながら日々を過ごしていた。 とある晴れた日、気分転換にと外に出て自宅近くのコンビニに寄った帰りに雷に撃たれて… ================================ 初投稿です! 最近、異世界転生モノにはまってるので自分で書いてみようと思いました。 皆さん、どうか暖かく見守ってくださいm(._.)m 感想もお待ちしております!

俺はこの異能について真に驚くべき応用を発見したが、ここで語るには世界は狭すぎる

えむげん
ファンタジー
ボットでLINEやチャットなどの生活をにぎやかにごまかしてた社畜は気がつくと、異世界への入り口に立っていた。情報と移動という異能と、新しい肉体を授かり、転生した異世界で彼は異能をつかって好き放題に生きようとするも? 欲望を解き放ち、女好きで、ギャンブル好きの主人公フェルマンが、異能を使いこなして何を成し遂げていくかを描いた、コメディあり、ほんのりセクシャルで、少しバトルもありの、サクサクお話の進む作品です。 さて、フェルマンはいったい、どれほどの存在になりうるのでしょうか?

異世界でスローライフを満喫

美鈴
ファンタジー
タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です! ※カクヨム様にも投稿しております ※イラストはAIアートイラストを使用

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...