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第1章
23話 カカラ村
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カカラ村は人口300人程の大き目な村だ。
この村はドロネからバルベルへ向かう人と、王都グランダルからバルベルへ向かう人が最後に立ち寄る村なので、ドロネ程ではないけど栄えている。
小さいながらも冒険者ギルドだってある。
比較的に宿屋が多いが、農家もそれなりにいるみたいだ。
カカラ村もテナス村と同様に丸1日休んでからバルベルに向かう予定だ。
今回はタツヤも何も言わずに従った。
もしかしたらタツヤはアンデットの群れと戦った時に、ホーリーアローを連続で使っていたから疲れていたのかもしれない。
実際アンデットの群れを倒してからのタツヤは物静かだったし。
今回もダミアンさんが宿をとってくれてあったので、荷物を部屋に置いてその宿で夕食を食べながら今後の予定を軽く話し合った。
後の道のりは平原を進むだけで、そこは見通しが良いので魔物や盗賊に待ち伏せされる事は少ないらしい。
そして食べ終わると、横になろうと思って自分の部屋に戻った。
「エルム、ちょっと良い?」
ベットに腰を下ろした時、扉を叩く音の後にカヨの声がした。
「良いけどどうかした?」
鍵を開けてカヨを部屋に迎え入れる。
「えーと、エルムってもう寝る?」
「え?そのつもりだったけど」
「それじゃあさ、私もこの部屋で一緒に寝ても良い?」
「もしかしてまた近くにいる感じがするの?」
「ううん、そうじゃないんだけどちょっと不安で・・・」
カヨは恥ずかしさを紛らわすように苦笑する。
「そういう事なら良いよ。後、寝るならこのベットを使って、僕は床で寝るから」
「え!いやそれは悪いよ!」
「僕はほら魔導人形だからさ、柔らかい所で寝ようが硬い所で寝ようが関係ないけど、カヨは違うでしょ?」
「それは・・・」
「カヨが床で寝て寝不足になったら意味ないし使って?」
「・・・うん、分かった。ごめんね」
「気にしないで」
今夜はカヨと同じ部屋で寝る事になり、僕がエリーのいる部屋にいる時に外の様子を見せて貰うと、カヨはなかなか寝付けない様でしばらく様子を見ているとようやく寝息を立て始めた。
「エリーもあんなゾンビは見た事ないんだよね?」
「はい。数日前にも言いましたが、生前と同じ動きをする事はありますけど喋るゾンビは初めて見ます」
あのゾンビを見た日の寝ている時、エリーに聞いてみたけど同じ回答だった。
もしかしたら答えが変わっているかもと、期待していたけど本当に知らない様だ。
「あと言える事はもしかしたら目を付けられたかもしれないと言う事位です」
「エリーもそう思うか」
出会った次の日にも現れたとなると僕、もしくはカヨが目を付けられた可能性が高い。
どちらかというと光属性を持つかよだと思うけど。
でもこんな事カヨに言ったら余計怖がるしなぁ。
考えがまとまらないまま朝になってしまった。
とりあえず今日は伝えない事にした。
疲れていたのか、カヨが中々起きないので起きるのを待っていると、部屋の扉を強目に叩く音が聞こえた。
「エルム!起きてるか!」
すると扉の向こうからアナベルの声が聞こえた。
「んん~」
「起きてますよ」
カヨは寝返りを打つだけで起きる気配はない。
「よし。朝食を食べたらギルドに来てくれ。全くカヨはどこに行ったんだ」
「カヨもここにいますよ。何かあったんですか?」
「む、そこにいるのか、ならカヨと一緒に来てくれ。私も理由は分からん、朝ギルドの職員が緊急で冒険者を集めていると言っていただけだからな」
「分かりました」
僕が返事をすると遠ざかっていく足音が聞こえた。
僕の脳裏にはアンデットの姿が浮かぶ。
そうでない事を祈りながらカヨを起こして食堂へ向かった。
この村はドロネからバルベルへ向かう人と、王都グランダルからバルベルへ向かう人が最後に立ち寄る村なので、ドロネ程ではないけど栄えている。
小さいながらも冒険者ギルドだってある。
比較的に宿屋が多いが、農家もそれなりにいるみたいだ。
カカラ村もテナス村と同様に丸1日休んでからバルベルに向かう予定だ。
今回はタツヤも何も言わずに従った。
もしかしたらタツヤはアンデットの群れと戦った時に、ホーリーアローを連続で使っていたから疲れていたのかもしれない。
実際アンデットの群れを倒してからのタツヤは物静かだったし。
今回もダミアンさんが宿をとってくれてあったので、荷物を部屋に置いてその宿で夕食を食べながら今後の予定を軽く話し合った。
後の道のりは平原を進むだけで、そこは見通しが良いので魔物や盗賊に待ち伏せされる事は少ないらしい。
そして食べ終わると、横になろうと思って自分の部屋に戻った。
「エルム、ちょっと良い?」
ベットに腰を下ろした時、扉を叩く音の後にカヨの声がした。
「良いけどどうかした?」
鍵を開けてカヨを部屋に迎え入れる。
「えーと、エルムってもう寝る?」
「え?そのつもりだったけど」
「それじゃあさ、私もこの部屋で一緒に寝ても良い?」
「もしかしてまた近くにいる感じがするの?」
「ううん、そうじゃないんだけどちょっと不安で・・・」
カヨは恥ずかしさを紛らわすように苦笑する。
「そういう事なら良いよ。後、寝るならこのベットを使って、僕は床で寝るから」
「え!いやそれは悪いよ!」
「僕はほら魔導人形だからさ、柔らかい所で寝ようが硬い所で寝ようが関係ないけど、カヨは違うでしょ?」
「それは・・・」
「カヨが床で寝て寝不足になったら意味ないし使って?」
「・・・うん、分かった。ごめんね」
「気にしないで」
今夜はカヨと同じ部屋で寝る事になり、僕がエリーのいる部屋にいる時に外の様子を見せて貰うと、カヨはなかなか寝付けない様でしばらく様子を見ているとようやく寝息を立て始めた。
「エリーもあんなゾンビは見た事ないんだよね?」
「はい。数日前にも言いましたが、生前と同じ動きをする事はありますけど喋るゾンビは初めて見ます」
あのゾンビを見た日の寝ている時、エリーに聞いてみたけど同じ回答だった。
もしかしたら答えが変わっているかもと、期待していたけど本当に知らない様だ。
「あと言える事はもしかしたら目を付けられたかもしれないと言う事位です」
「エリーもそう思うか」
出会った次の日にも現れたとなると僕、もしくはカヨが目を付けられた可能性が高い。
どちらかというと光属性を持つかよだと思うけど。
でもこんな事カヨに言ったら余計怖がるしなぁ。
考えがまとまらないまま朝になってしまった。
とりあえず今日は伝えない事にした。
疲れていたのか、カヨが中々起きないので起きるのを待っていると、部屋の扉を強目に叩く音が聞こえた。
「エルム!起きてるか!」
すると扉の向こうからアナベルの声が聞こえた。
「んん~」
「起きてますよ」
カヨは寝返りを打つだけで起きる気配はない。
「よし。朝食を食べたらギルドに来てくれ。全くカヨはどこに行ったんだ」
「カヨもここにいますよ。何かあったんですか?」
「む、そこにいるのか、ならカヨと一緒に来てくれ。私も理由は分からん、朝ギルドの職員が緊急で冒険者を集めていると言っていただけだからな」
「分かりました」
僕が返事をすると遠ざかっていく足音が聞こえた。
僕の脳裏にはアンデットの姿が浮かぶ。
そうでない事を祈りながらカヨを起こして食堂へ向かった。
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